2025.04.06

CARS

ゼロスタートでアクセルを無闇に踏もうものならノーズが左右に暴れる強烈なエンジン ミニJCWカントリーマンALL4に試乗した桂伸一はこう叫んだ

ミニJCWカントリーマンALL4/最高出力316ps/5750rpm、最大トルク400Nm/2000-4500rpmを発揮する2リッター 4気筒ターボをフロントに横置き搭載。車両本体価格=667万円。

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今年もやりました2025年版「エンジン・ガイシャ大試乗会」。大磯プリンスホテルの大駐車場に集めた注目の総勢33台の輸入車にモータージャーナリスト33人が試乗! 各メーカーがこの上半期にイチオシするそれぞれのニューモデルに5人のジャーナリストが試乗した、計165本の2025年注目輸入車の試乗記を順次公開。

ミニJCWカントリーマンALL4には、藤野太一さん、桂伸一さん、関耕一郎さん、小沢コージさん、小川フミオさんが試乗。今回は藤野さん、桂さん、関さんの「ここがスゴイ」リポートをお届けする。

新世代ミニ・シリーズに共通する大型の丸いタッチパネル式ディスプレイが目を惹くインテリア。ただし基本となる操作系についてはその下のトグル・タイプのスイッチ類が請け負う。

「新ジャンルのミニ」藤野太一


ミニ史上最大と聞いていたけれど、全長4.5m以内、全幅1.85m以内と日本の道にちょうどいいサイズだ。

歴代のミニに乗り継ぎ、現在の愛車は最終型のクラブマン(とマクラーレン600LT)という同乗者のSさんは布地のようなトリムやミニのアイコンともいえるトグルスイッチ、そして有機ELになった円形のセンター・ディスプレイをまじまじとチェックしている。「全体的に洒落た雰囲気ですよね。使っている素材の質感も高いし、センターのディスプレイも映りがとてもきれいですね」と第一印象を語る。

動き出しの滑らかさ、ボディ剛性の高さ、直進安定性のよさがステアリングを通して伝わってくる。箱根ターンパイクでドライブモードを「ゴーカード・モード」(いわゆるスポーツモード)に切り替え右足に力を込めるとSさんは「ほほぉ」とひと言。JCWの名は伊達ではない。とはいえかつてのじゃじゃ馬のような雰囲気は皆無。「やはり最新型は洗練されていますね」という言葉に相槌をうつ。新世代、新ジャンルのミニなのだと思った。

試乗車はLパッケージと呼ばれる電動調整式シートやプライバシー・ガラスを備えた仕様。さらにJCWトリムと呼ばれるスポーティな仕立ての足まわりや変速機、ブレーキやシート、ステアリングを装備している。

「スポーツ心を満足させる」桂伸一

ミニのスポーツブランドはJCW(ジョン・クーパー・ワークス)と、初代ミニを世界に広めたF1のクーパーさんの名が付く。さながらSUVのカントリーマンは、そのスッキリ広い室内空間と、高台に座る感覚のドラポジも重要。ミニの雰囲気と個性を持ち、AWDが路面状況に関わらずガンガン突き進む背の高いマルチパーパス・スポーツワゴン、という位置づけだ。

JCWによるエンジン・チューンは、2リッター 4気筒ターボから316ps/400Nmを絞り出す。ガソリン・ユニットとして世界トップクラスに入るスペックは、特にエンジン・パフォーマンスが強烈で、ゼロスタートでアクセルを無闇に踏もうものならノーズが左右に暴れる。そのじゃじゃ馬な動きとともに猛ダッシュした時がJCWの醍醐味。

標準モデルの1.5リッター 3気筒ターボでも軽快な加速Gがミニのパフォーマンスとしては十分だが、JCWは、ターボのトルクの急激な盛り上がりがただ者ではない、という明確な個性の違いにコストを払う価値がある。スポーツ心を満足させるミニ風味のSUVだ。

最高出力316ps/5750rpm、最大トルク400Nm/2000-4500rpmを発揮する2リッター 4気筒ターボをフロントに横置き搭載し、7段デュアルクラッチ式自動MTを介して4輪を駆動する。

「まるでザッハトルテ」関耕一郎

オリジナル・ミニに乗り続ける堅物の友人は「アレはBMWで、ミニじゃない」というが、BMW好きの自分は、BMWのFF系モデルにいまだピンとこない。では、そのシャシーで仕立てた最大のミニはというと、『よくできたBMW』だった。もちろん、褒め言葉だ。

太いステアリング・リム越しの手応えはどっしり濃厚で、四輪の確かな接地感がある。直進安定性は高いが、ワインディングでは一定舵角でイメージどおりに曲がる。鋭さや軽やかさを感じる動きではないが、操舵への遅れがなく、きっちり粘る。JCWということで脚は硬いはずだが、20インチを履きこなし、突き上げはガツン! ではなく、擬音にするならゴクン。角がない。

エンジンもいい。トルクたっぷりで目の詰まった回転フィールを味わえる。そして、勇ましいエグゾースト・ノートにうれしくなる。重厚な走りに刺激的なアクセントが効いて、濃密で満足感がありながら、ついつい後引く甘美さ。これはそう、まるでザッハトルテ。味わい深く、クセになりそうなクロスオーバーだ。

■ミニJCWカントリーマンALL4
フル・エレクトリックのモデルも海外では発表されたJCWシリーズの中でも、もっとも上位に位置するのが5ドアで5座で4WDのカントリーマンJCWだ。最高出力316ps/5750rpm、最大トルク400Nm/2000-4500rpmを発揮する2リッター 4気筒ターボをフロントに横置き搭載し、7段デュアルクラッチ式自動MTを介して4輪を駆動する。全長×全幅×全高=4445×1845×1645mm。ホイールベース=2690mm。車両重量=1680kg。車両本体価格=667万円。

写真=小林俊樹/山本佳吾

(ENGINE2025年4月号)

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