2025.04.17

CARS

ポルシェ912というだけでレアなのに、さらにタルガのソフトトップ・ウィンドウ仕様なのだ

クルマをはじめ、カー用品やグッズ、さらにファッションなど、クルマやクルマ生活にまつわる様々なものが出展されるオートモビル・カウンシル。その中で、メーカーや主催者のテーマ展示とともに人気を博すのが、旧車のスペシャル・ショップが展示するクルマたち。その多くが実際に購入できるのも魅力のひとつだ。その中から今回はポルシェ911の派生モデルを紹介する。

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カッコよさが分からなかった

子どもの頃には、その魅力やカッコよさが分からなかったクルマが多々あるが、「ポルシェ912」もその中の1台だ。筆者はスーパーカーブームを経験した世代だが、やはり930型の「911ターボ」が白眉で、911の廉価版という印象があまりにも強かった912はピンと来なかった。



911のボディに4気筒を搭載

参考までに記すと1965年に登場した912は、911の導入時点でまだ生産されていた「356」との価格差を埋めるために「911のパワーを抑えたモデル」として導入された。リアに搭載されたエンジンは911とは異なり、「356SC」に積まれていた排気量1.6リッターの水平対向4気筒エンジンで、低速トルクと安定性を高めるために最高出力を95psから90psに低減。4段マニュアル・トランスミッションを採用していた。

ここ最近、揚げ物よりも豆腐のほうが美味しいと思うようになったが、そのような健康的な食生活を心がける年齢になってきて、ようやくポルシェ912の魅力が分かってきた。



透明ビニール製リア・ウィンドウ

オートモビル・カウンシル2025の会場には数多くの911が展示されていたので、オートダイレクトのブースを最初に通りかかったときに「あー、オレンジ色のナローもカッコイイなぁ」と思うだけで立ち止まらなかったが、シルバーのロールオーバー・バーのことがずっと気になっていたので数分後に戻ってみた。

すると、てっきり911だと思っていたクルマが実は912で、透明ビニール製リア・ウィンドウを持つソフトトップの「タルガ」であることに気づいた。車両説明プレートを見たら、1968年式のポルシェ912タルガ・ソフトトップ・ウィンドウと書いてあり、会場での税込車両販売価格は1900万円であった。レア度がスゴイと思ってオートダイレクトの代表に概要を伺ってみたら、このように話してくれた。



程よいアメリカ仕様

「ソフトトップ・ウィンドウのクルマが好きなので、アメリカで探して日本に持ってきました。ボディをペイントして、カーペットを変えています。ソフトトップも新品です。いろいろやっていますが、ほどよく仕上げているところがポイントで、ボディ・カラーもいいですね。ヘッドライトのリムは厚みのあるアメリカ仕様を残しています」

代表曰く、本来は鉄チン(スチール)ホイール仕様なので、フックスのホイールを装着しているのは本意ではないとのことだったが、筆者的にはこの雰囲気もアリかもしれないと思ってしまった。いいなぁ~、欲しいなぁ~と思って興奮していたら、肝心の新品ソフトトップのアップを撮り忘れたが、ルーフパネルを取り外し、ファスナーで開閉できるソフトトップ・ウィンドウを開ければロールオーバー・バーだけを残したオープンになる。この時代の912タルガは、間違いなく自動車趣味人の終の1台としていい選択になるはずだ。



文・写真=高桑秀典

(ENGINE WEBオリジナル)
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