2025.06.14

LIFESTYLE

夫婦で意見が分かれた平家と二階建て それならばと、両方つくってしまった建築家の素晴らしいアイディアとは?

展望台か? それとも見張り台? 奇想天外な建物のなんと楽しそうなことか!

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雑誌『エンジン』の大人気連載企画「マイカー&マイハウス クルマと暮らす理想の住まいを求めて」。今回取材したのは、塔のような2階建ての離れがある群馬県の一軒家。緩やかにカーブした母屋に足を踏み入れると、そこにはご主人のこだわりの家具や調度品、アートなどが飾られた個性的な空間が広がっていた……。ご存じデザイン・プロデューサーのジョースズキ氏がリポートする。

モダンで魅力的な提案

群馬県に住む公務員のSさん(48歳)一家のお宅は、塔のような離れのある、ユニークな形をしている。しかも庭には、エキゾチックな植物が植えられ、トロピカルな雰囲気。愛車のフォルクスワーゲン・タイプ2のボディには、サイケデリックなペイントが施されている。そして室内には、外観からは想像できないような異国情緒溢れる品々が。この家での暮らしは、とても楽しそうだ。

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Sさんが集めた品々が、楽しく飾られた室内。奥のガラス戸は玄関。向こうに離れ1階のDJブースが見える。二人の子供は、このテーブルで勉強する。

Sさん一家がそれまで暮らしていたのは、親族が持っていた古い日本家屋。冬の厳しい地域で、断熱材の入っていない家での暮らしは相当に辛かったので、健康で快適に過ごすための家を作った。実はこの家を建てるまで、住宅に関心が無かったSさん。最初は、地元に多い伝統的な日本家屋を建てるつもりで見積りをしたが、そこまで出して長く住む家を建てるかと思うと、どこかしっくりこない。そこで、友人が暮らす、お洒落な住宅を設計した建築家に再度見積りを依頼した。前橋を拠点とする建築事務所、スタジオシナプスを主宰する植木幹也さんだ。すると価格はほぼ同じにもかかわらず、モダンで魅力的な提案が返ってきたのだ。それならば、と設計をお願いすることとなった。

敷地はすぐ近くの、家族が持っていた場所。南北に長く、南側が開け、緩やかに北に向けて下がっている土地だ。奥様も家作りに強い希望があった訳ではないが、年齢を重ねても住みやすい平屋での暮らしを望んだ。ところがSさんが欲しかったのは2階屋である。その折衷案で、母屋が平屋で、2階建ての離れがある家を建てることになる。

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