2025.05.12

CARS

アルカナ試乗 アルピーヌを感じるルノーのSUVクーペ、マイルドハイブリッドの実力は?

パワートレインが異なるもう1台のアルカナ、マイルド・ハイブリッド。雑誌ENGINEの長期リポートで活躍中のフルハイブリッドとの違いをモータージャーナリストの森口将之がリポートする。

エスプリ・アルピーヌに乗ってみた

ルノーのSUVクーペ、アルカナがマイナーチェンジとともに、同じルノー・グループのアルピーヌのエッセンスを取り入れたエスプリ・アルピーヌという仕様を導入したことは、本誌の試乗記や長期リポートでもお伝えしている通りだ。

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試乗記と長期リポート車はルノー独創のフルハイブリッド・システム、E-TECHを積んだモデルだったが、続いてマイルド・ハイブリッドのエスプリ・アルピーヌも試乗車が用意されたので、早速ドライブしてみた。

こだわりを感じるインテリア

内外装の仕立てはE-TECHとほぼ同じ。エクステリアはフロント・フェンダーのエンブレムとロゴ入りアルミホイール、インテリアはロゴ入りスカッフ・プレートとAエンブレムがステッチで入ったフロント・シートのほか、ステアリングやドア・トリムなどに3色のステッチが入り、シートベルトは前後ともにブルーで縁取られる。とりわけインテリアからは、かなりのこだわりが伝わってくる。


ドライバビリティはマイルドハイブリッドが一枚上手!?

日本仕様のルノーでは、今のところこのアルカナだけに選べるマイルド・ハイブリッドは、ルーテシアやキャプチャー、カングーに積まれる1.3リッター直列4気筒ターボがベース。7段デュアルクラッチ自動MTトランスミッションを組み合わせるところも同じだ。



大柄なカングーのボディも不満なく動かす力を持つうえに、マイルド・ハイブリッドによって加速のアシストも実感できる。たしかにE-TECHの独特の加速感や燃費の良さは、それだけで魅力ではあるけれど、走りの機能という点ではこれで十分と思う人もいるだろう。

しかもドライバーが積極的に走りに絡んでいけるという点では、マイルド・ハイブリッドが上になる。パドルシフトがあるのがその理由だ。しかも158ps/270Nmというスペックは、最高出力についてはE-TECHの1.6リッター直4エンジン+メインモーターの合算を上回っているうえに、車両重量は90kg軽いというアドバンテージもある。

デュアルクラッチ・トランスミッションの小気味良い変速、ターボのパンチ、小排気量4気筒の軽やかな吹け上がり具合を自分で選べるというのは、伝統的なドライビング・スタイルを好む人にとってプラスになるだろう。

マイルドハイブリッドのアルカナは粋な仕立て

CセグメントのSUVは日本勢を含めてライバルが多いが、その中でスタイリッシュなクーペ・フォルムにエスプリ・アルピーヌの粋な仕立てを融合させたアルカナは、独自の存在感をさらに際立たせていると感じる。そのボディをAのエンブレムにふさわしく俊敏に走らせたいなら、マイルド・ハイブリッドのほうがお似合いだ。



文=森口将之 写真=茂呂幸正

(ENGINE2025年6月号)
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