2019年2月のEV化発表から6年。タイカンに続くフル電動の第2弾として、新型マカンがついに、EVに生まれ変わって日本上陸を果たした。全く新しいマカンは、紛れもないポルシェの一員だったのか? モータージャーナリストの高平高輝、荒井寿彦とエンジン編集部員の村上、新井、村山が試乗した。
ついにEVのマカンが上陸
村山 ポルシェ新時代、試乗篇の二つ目はフル電動化で生まれ変わった新型マカンとマカン・ターボです。

村上 911もマカンも電動化が一つのキーワードだけれど、911GTSのTハイブリッドに対して、マカンはストレートにフル電動と来たね。ポルシェにはタイカンがあるから、フル電動という意味では第2弾。でも、マカンといえば、カイエンと並んで今のポルシェを支える大黒柱のひとつだから、そのフル電動化に踏み切ったというのは、ポルシェにとっては大変革だというわけですよね。
高平 本当にすごいよね。この決断にはたくさんの根拠やデータが当然あるだろうけれど、そのときと今ではだいぶ状況が違う。タイカンを2019年のフランクフルトで発表して、次はマカンだ、という勢いがあった時から、コロナ禍あり、ウクライナ侵攻あり。天然ガス情勢も電気代も大きく変わった。それでも、マカンをEV化するプロジェクトは着々と進んでいたんだね。
村上 それが形となって出てきたと。
新井 マカンEV化の第一報は19年2月でした。当時はタイカンの発表を控えて、勢いがありましたね。
村上 そんな新型マカン、乗ってみると、タイカンとはだいぶ別物のクルマになっているという気がしました。社会情勢の変化も踏まえているのかも知れないけれど、タイカン登場時は「どうだ、これがEVだ!」という、電気自動車感が丸出しの、すごいスポーツカーが出来ました! という印象だった。出だしのトルクには驚いたし、こんなクルマ作っていいのかよというくらいすごかったよ。でも、今回のマカンはその逆で、EV感をわざと出さないようにしているというか、従来の内燃機関のマカンに親しんできた人が乗り換えても違和感がそんなにないと思う。EVであることは乗るとわかるけれど、特別な感じは全然しない。
高平 まったくその通りだね。もうこれで座談終わりにしましょうか。
一同 (笑)