2025.08.02

CARS

ポルシェの緻密さは蜜の味 傷ひとつない新車のような1972年式911S 新旧911とケイマン、計4台のポルシェを所有するオーナーのポルシェの楽しみ方

傷ひとつない新車のようなこの個体をどうやって見つけたのだろうか? 目の前にある1972年式ポルシェ911Sの状態の良さに驚いた。

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若いときにポルシェ911の運転の難しさに困惑して以来、ポルシェではないクルマ遍歴を重ねて来た上田喜宣さん。あることをきっかけにポルシェ4台持ちになったのです。

春の柔らかい日差しをシルバーのボディが反射させている。傷ひとつない新車のようなこの個体をどうやって見つけたのだろうか? 目の前にある1972年式ポルシェ911Sの状態の良さに私も茂呂カメラマンもただただ驚いている。

「来週、これで旅行に行くんです。フェリーで徳島に入って淡路島や神戸を巡る初めてのロング・ドライブです」と上田さんは嬉しそうに言った。素敵な思い出になるはずだ。

オーナーは上田喜宣さん。このナローのほかに991型タルガ、992型GT3、そしてポルシェ・ケイマンを所有する。ポルシェ4台持ちという大のポルシェ・ラバーなのである。

「子供の頃からクルマが大好きで、18歳で運転免許を取って19歳で初めて買ったクルマは初代ホンダ・シビックでした」

大学卒業後、渡米して約8年間を獣医学の勉強に費やしたという。

「アメリカではカマロとかに乗ってました。アハハ」

上田さんの照れ笑いは豪快だ。しかし、それがかえって相手の気持ちを和ませる。この笑顔を見たら誰でも愛するペットを安心して任せられると思うだろう。



帰国後、上田さんはポルシェ911の洗礼を受ける。

「たまたま74年のカレラRSを手に入れることができたんです。これが初めてのポルシェ911。嬉しいというよりも怖かったです。当時は荷重移動とか知らないから、上手に曲げられないんです。雨でずいぶん怖い思いもしました」

74年カレラRSの扱いの難しさに、やっぱりポルシェは腕のある人のクルマなんだと痛感した上田さんは、このクルマを1年半ばかりで手放したという。

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