2025.06.27

CARS

ロールス・ロイスは後席に乗るクルマと言うのは過去の話だ! 史上最もパワフルなロールス、ブラック・バッジ・スペクターに試乗!!

ロールス・ロイス・ブラック・バッジ・スペクター。車両本体価格は5614万円。

全ての画像を見る

スポーティでなくダイナミック

そして、スペインのバルセロナで開かれた国際試乗会では、その走りを街中から高速道路、山岳路に加えて、なんとサーキットでも試すことができたのだから、これまたビックリ。これまで、「ロールス・ロイスの辞書にはスポーティという言葉はない」と聞いてきた。だから、まさかスポーツカー・メーカーのようにサーキットを試乗会に使うとは思ってもいなかった。で、改めて、「ロールス・ロイスにはスポーティという言葉はなかったはずでは?」と尋ねたら、「スポーティではなく、ダイナミックと言っている」という答えが返ってきて、またまたビックリ。

advertisement




実は今回のブラック・バッジ・スペクターには、まったく新しいドライブ・モードが備えられている。ステアリング・ホイール上の無限大マークのボタンを押すことで作動する「インフィニティ・モード」がそれで、このモードを有効にすると、メーター・パネルの表示がより鮮やかに彩られると同時に、659馬力の最高出力が解放され、よりダイレクトなスロットル・レスポンスが実現するようになっている。要するに、スポーツカーによくあるスポーツ・モードと同じものだ。

ブラック・アウトされたパンテオングリルの上には、やはりブラックのスピリット・オブ・エクスタシー。

さらにもうひとつ、「スピリテッド・モード」というのがあって、インフィニティ・モードのまま停止状態でブレーキとアクセレレーターを同時に踏み込み、そこからブレーキだけを離すと、最大トルクが900Nmから一時的に1075Nmまで増幅され、0 - 100km/h加速4.3秒の圧倒的な推進力が解き放たれるのだとか。要するに、スポーツカーで言うところのローンチ・コントロールではないか。それが初めてロールス・ロイスに付けられたというのだから、ダイナミックどころか画期的な大変革といっていいだろう。それらを試すために、どうしてもサーキットが必要だったというわけだ。



こうした大変革が行なわれる背景には、ロールス・ロイスの顧客層の大きな変化があるのは間違いない。2010年には56歳だった顧客の平均年齢が、なんと今では43歳まで下がっているという。それに伴い、後部座席に乗るのではなく、自ら運転する顧客がどんどん増えて、現在はSUVのカリナンで95%(2018年の初代登場時は70%)、ブラック・バッジ・シリーズ全体では98%、ことスペクターに至っては100%オーナー自身がステアリングを握っているという。ちなみに、スペクターの年間平均走行距離は約6400kmで、ほぼすべての走行はオーナー一人で行なわれており、助手席に同乗者がいるケースは全体の4分の1程度に過ぎないというデータもあるそうだ。もはや、ロールス・ロイスといえば後席に乗るクルマというイメージは過去のものとなり、むしろオーナーが純粋にドライブを楽しむために乗るクルマになっているのだ。



advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement