2025.06.06

CARS

【動画公開中】これで採算は取れるのか? ATモデルも登場した、GRカローラに試乗 レースからフィードバックされた技術が大量投入

価格は598万円。これでもかと詰め込まれた技術と街乗りからサーキットまで使えるオールマイティさを考えたら、お買い得!

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ひとクラス上の感触

そして、もう一つの大きな進化が8段ATモデルの追加である。これによりユーザーの裾野が一気に広がりそうだが、今回はそのATに試乗した。

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スタート・ボタンを押してエンジンに火を入れた時こそ、勇ましい爆音がして、いかにも特別なスポーツモデルであると感じさせるが、走り出しはスムーズそのもので、乗り心地は驚くほど穏やかだ。一昔前のホットハッチといえば、カリカリに固めた足にピーキーなエンジンを持った極端に走りに特化したモデルという印象が強かったが、時代は変わったのだ。決して足が柔らかいわけではないのは、荒れた路面でそれなりの突き上げがあることでわかるが、そういう時でも不快な印象はない。むしろ、ボディやシャシーの剛性感が高くて直進安定性やコントロール性がいい分、常に安心感があり、ひとクラス上の車格のクルマに乗っているような感触がある。それは高速道路に入ると一層顕著で、家族4人乗って、どこまでも快適に走って行けそうだと思った。

6段MTのほかに、新たにGRヤリスから移植した8段AT搭載モデルが加わった。

一方、山道での走りは痛快そのものだった。4WDゆえの曲がりにくさは微塵も感じさせることなく、切れば切っただけ曲がってくれるハンドリングの良さは特筆モノだ。エンジンは下から太いトルクが出ていて扱いやすさ抜群だが、さらにスポーツ・モードでは自動的により低いギアを選択するようになり、金管楽器のような独特のサウンドも加わり、気分を高めてくれる。サーキットでは制限速度を高め、旋回時の過給圧を調整するモードも使えるというが、残念ながら今回は試せなかった。

価格は598万円。これでもかと詰め込まれた技術と街乗りからサーキットまで使えるオールマイティさを考えたら、お買い得な1台というべきだろう。

文=村上政(ENGINE編集部) 写真=神村聖

▼エンジンTVにて動画も公開! こちらもご覧ください。


(ENGINE2025年7月号)
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