2025.08.01

WATCHES

歴史を腕に。伝説的なムーブメントを復刻したドレスウォッチを発表した創業160周年のゼニス

伝説的なムーブメントCal.135を搭載するG.F.J.

全ての画像を見る
4月上旬にスイスで開催されたWatches & Wonders Geneva(W&WG)にてお披露目されたゼニスの新作は、天文台の精度コンクールで最多の賞に輝いたキャリバー135を搭載するドレススウォッチだ。

160周年にふさわしいタイムピース

W&WGの会期中に、ル・ロックルのマニュファクチュールに取材に出かけた。数年ぶりの訪問だったが、壁面に「G.F.J.」と書かれたゼニスの古い社屋はいまだ健在で、内部を改装して使用している。もちろん工作機械などは最新型だが、良質な時計を長年作ってきた場所だからこそ醸し出されるオーラなのか、見えない力というものを、そこかしこから感じた。それは“近代的なファクトリー”では味わえない体験でもあった。

advertisement


そんな場所からこのドレスウォッチ「G.F.J.」が誕生したというのは、とても自然なことだろう。特別に調整したCal.135-Oを携えて、ここからニューシャテルの天文台コンクールへと向かった時計師たちや、その成績に一喜一憂したであろうスタッフたちの魂が、ル・ロックルのマニュファクチュールを通じて現在のCal.135へと継承されている。

新キャリバー135は、オリジナルの径や毎時1万8000回の振動数を踏襲しつつ、クロノメーターの高精度と72時間パワーリザーブを実現

この時計はゼニスにしか作ることができない。それは技術ではなく魂の問題なのだ。

ゼニス G.F.J.

創業160周年を祝い、伝説的ムーブメントを新コレクションの「G.F.J.」で復活させたゼニス。G.F.J.は、ゼニスの創業者ジョルジュ・ファーブル=ジャコのイニシャル、伝説的ムーブメントとは、かつて天文台の精度コンクールで最多の賞に輝いたキャリバー135だ。

ゼニスはこれを現代の技術で復刻し、プラチナ950のケースに搭載。センターにラピスラズリ、スモールセコンドにマザーオブパールを用い、外周をギヨシェ彫りで装飾したダイアルも秀逸だ。

手巻き。COSC認定クロノメーター。ケース直径39mm、5気圧防水。695万2000円。

問い合わせ=LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ゼニス Tel.03-3575-5861

文=篠田哲生

(ENGINE2025年7月号)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement