2025.06.10

CARS

これは欲しい! あのフランスを代表する名車の70周年を祝う品が発売に

誕生から70年を向かえた20世紀の象徴的フランス車、DS。

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DSオートモビルがフランス造幣局と協力し、記念コインを制作・販売する。ブランドの原点ともいうべき、シトロエンDSの生誕70周年を祝してのことだ。

2025年はDSの誕生から70年

1955年10月6日、木曜日。グラン・パレの丸屋根のもと、パリ・モーターショーで披露されたDSは、たちまち話題を呼んだ。





フラミニオ・ベルトーニがデザインしたその姿は革新的であり、エレガントでもあった。



そのアバンギャルドなフォルムに劣らず、技術的にも斬新だったDS。その影には、ふたりの人物の存在があった。まずはアンドレ・ルフェーブル。もとは航空エンジニアで、熱烈な前輪駆動支持者であり、空力や軽量化、重心の位置決めにも熱心に取り組んだ。

もうひとりのポール・マジェスは、独学でエンジニアとなった叩き上げで、有名なハイドロニューマチック・サスペンションをはじめ、ステアリングやクラッチ、ブレーキの油圧アシストも開発した。

それらの先進技術に支えられたDSは、瞬く間に名声を勝ち得て、フランス大統領の専用車にも供された。



以降、およそ150万台が、20年にわたりパリ中心部で生産された。それを終えた後、40年近くを経た2014年には、DSの名を冠した新たなブランドが船出を迎え、現在に至っている。



今なお語り継がれる名車、シトロエンDSの誕生70周年を祝う記念コイン第1弾は2025年2月4日に発売。こちらは10ユーロ銀貨だったのだが、ものの数日で5000枚が完売。そこで今回は、新たなアイテムが登場した。



まずは同じく額は10ユーロだが、今度は銀貨となる。表面は1975年のDS23と、1955年のオリジナルが鏡映しのように上下へ配置され、DS23のスイベル式ヘッドライトが放つ光をゴールドで表現。これは第1弾と同様だが、背景はブラック・ロジウム・メッキが施され、夜道を行くDSを表現した。



そして裏面は、ルーフ後端のウインカーを図案化したデザインが新たに採用された。価格は111ユーロで3000枚が販売される。




同様のデザインを施した20ユーロ金貨も登場。こちらは470ユーロで、1000枚が市場に出回る。





20ユーロ銀貨も凝ったつくりだ。路上の初代DSを立体的なレリーフで象っており、表面はボディ上面、裏面はフラットにカバーされたアンダー・ボディを見ることができる。142ユーロで3000枚限定だ。



もう1つは、ミニ・セットと呼ばれるもので、テーマに沿ったケースに現在流通しているコインを収めた、コレクター向けにしばしば製作されるアイテムだ。初代発表時の風景をはじめ、歴代DSを収めた写真の数々があしらわれており、55ユーロで500セットが販売される。



空力設計や油圧の多用など、時代を大きく先取りしたクルマだったシトロエンDSは、今なお多くのファンの心を捉えて離さない。

販売を行うフランス造幣局のウェブサイトを見ると、ミニ・セットはすでに在庫切れとなっており、コインも争奪戦になりそうな予感。入手を検討するなら、早めに手を打ったほうがいいだろう。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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