2025.06.11

CARS

ロータス最後の純内燃エンジン・スポーツカーのエミーラがアップデート 冷却能力の強化やトランスミッションを改善

ロータス・エミーラが改良。ターボSEとV6 SEには新たなオプションとして“レーシング・ライン”が。

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ロータスが、ミドシップ・スポーツカーの「エミーラ」の改良モデルを発表した。ラインナップの拡充と、細部の性能向上が図られている。

地道だがきめ細やかな改良

エミーラ全モデル共通の改良点としては、まず冷却性能のアップがある。クーラントの流路を変更し、ラジエーターとトランスミッション・オイル・クーラーへの流れを最適化。結果として、軽量化にも寄与しているという。



さらにデュアルクラッチ式のトランスミッションも再調整され、変速時間を短縮し、シフト・クオリティを改善している。



エア・コンディショナーは、より高温で室内の環境を安定させるよう見直された。エンジンのサーモスタットは開弁温度を65度から75度へ引き上げ、シビアなコンディションでのパフォーマンスと、ヒーター性能を高めている。



新規グレードのエミーラV6 SEは、405psの3.5リットルV型6気筒にスーパーチャージャーを組み合わせたもので、6段MTとLSDが標準、ATも選択が可能としているのは従来のV6モデルと同様だ。MT仕様で4.2秒という0-100km/h加速も、従来販売されていたV6ファースト・エディションと同じである。

エクステリアの各部はジンク・グレー仕上げが標準仕様で、V6 SEバッジやエクステンデッド・ブラック・パック、20インチ鍛造ホイールと赤いブレーキ。キャリパーを専用装備する。

さらにダンパー設定の最適化やホイール・アラインメントの微調整で、よりシャープなハンドリングと改善された乗り心地を実現した。油圧式のパワー・ステアリングは、秀逸なフィードバックをドライバーにもたらす。

シャシーとサスペンションは、2種類のセッティングを用意。“ツアー”は日常使いを重視し、ロータスならではの運動性とハンドリングと、快適な乗り心地を両立。“スポーツ”は、やや硬いサスペンションで、運動性能とフィールの向上を図った。



インテリアは、アルカンターラやスポーツ・ペダルを備え、ラグジュアリーに仕立てられた。パーソナライゼーションのメニューは豊富で、外装は15色、内装は7色を用意するほか、ブレーキ。キャリパーは4色、ホイールは8種類から選択可能。英国での価格は9万6500ポンド(約1887万円)だ。

2025年モデルで発表された、エントリー・モデルのターボも改めて設定。ターボSEと同じAMG由来の4気筒ツインスクロール・ターボと8段デュアルクラッチ式トランスミッションの組み合わせで、0-100km/h加速4.4秒というスペックは、これまでの365ps仕様のそれを継承している。

シャシー・セッティングはこちらも“ツアー”と“スポーツ”を設定。電動油圧ステアリング・アシスト、ダブルウィッシュボーン・サスペンションやボディ統合型リア・スポイラーといったコンポーネンツは、上位グレードと変わらない。

装備内容も充実しており、自動緊急ブレーキや道路標識認識、死角警告や疲労検知といった安全デバイスを、他グレードとともに採用。メモリー機能付きの12ウェイ電動調整式シート、190Wオーディオ、Apple/Androidのワイヤレス接続まで取り揃う。価格は7万9500ポンド(約1558万円)。





また、ターボSEとV6 SEには、新たなオプションとしてレーシング・ラインが登場。ドア・ミラーとブレーキ・キャリパー、ボディ下部の手塗りピン・ストライプと車名バッジが同色で、エンブレムはシルバーとブラック。ホイールはハイグロス・ブラック塗装となる。

インテリアのスティッチやバッジ、ステアリング・ホイールのセンター・マークも、外装のアクセントと同色。内外装のトータル・コーディネートが図られる。



細かいながら、着実な改良を重ねるエミーラ。ロータス最後のエンジン車とされるライトウェイト・スポーツカーの、さらなる発展に期待したい。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)
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