2025.10.04

CARS

最初に手に入れたのはボロボロのシトロエンBX19TRiだったというイラストレーター、浦野周平さんは、レンジローバーのデザインをどう読み解くのか?

やっぱりクルマはデザインでしょ! 私が選ぶデザインはこの1台 イラストレーターの浦野周平さんさんが選んだのはレンジローバーだ。

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モダンでポップなイラストで人気を博しているイラストレーターの浦野周平さん。オーナーでもある浦野さんがレンジローバーのデザインを語る。

引き算のデザイン

純白のレンジローバーを真剣な眼差しで見つめているのはイラストレーターの浦野周平さん。デッサンをするときもこんな感じなのだろうか? 顎に当てていた手を下ろすと、振り返ってニコッと笑った。

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フロント周りにキラキラしたものがないのもレンジローバーの特徴だと言う浦野さん。グリルは水平基調でワイド&ローが強調されている。そのため、ナンバープレートがすごく小さく見える。

「やっぱりレンジローバーって引き算のデザインだと思うんです。それは初代から引き継がれている気がします。エクステリア・デザインを考えた場合、パンと張った面に凹凸を加えて躍動感を出すというようなことをしたくなるんじゃないかと思います。しかし、レンジローバーはあえてそれをしていない。平らな面を綺麗に見せている。そこが上手だなあと感心します」

レンジローバーのサイドビューは確かにドアノブの凹凸さえない“のっぺらぼう”な感じである。このツルッとした豆腐みたいな面が美しいと浦野さんは言う。



「真横から見るとルーフ・ラインがリアに向かって少し下がり、逆にショルダー・ラインが少し上がっているのでサイド・ウィンドウがリアに向かって小さくなっています。これは4代目からですね。それまでは真っすぐでもっと無骨な印象でした」

レンジローバーの造形に一言ある浦野さん。それもそのはず愛車は3代目レンジローバーなのである。

「それから特徴的なのはリア・スタイルですね」

そう言うと浦野さんはリアゲートの方へ回り込んだ。

テールゲートは前後左右ともに絞り込まれていてリアを小さく見せている。

「これは2024年式だとおっしゃっていましたが、外観と内装は2025年モデルも同じです。で、このリア・スタイルを見てください。左右を絞り込んで小さく見せています。さらにテールライトでさえ、削ぎ落とそうとしている気がします」

縦長の細いテールライトはおっしゃる通り控えめだ。

「テールライト周りをきらびやかにしてリア・スタイルを主張するクルマってたくさんあるじゃないですか。レンジローバーはそれをやらずにリアを小さく見せている。月並みな表現ですがそこがカッコイイです」

テールライト、ウィンカーは点灯しないとそれとはわからないほどその存在を主張しない。
ドアを開けるとレザーで覆われた豪華なインテリアに目を奪われる。白に近い明るいグレーのレザーが室内の印象をとても明るくしている。浦野さんにインテリアの印象を聞くと、むしろ機能面からデザインを語った。

「オフロードを走ることを考えていますから、まずボンネットがハッキリ見えるのが特徴です。ボンネット左右の峰も初代から続いていて、左右の先端がどこにあるのかがわかります。また、窓を開ければ肘が乗せられるほどサイド・ウィンドウの下端が低い。これは見切りをよくするだけでなく、開放感を与えています」

レンジローバーの内装を愛でる浦野さん。レンジローバーはインテリアも引き算のデザインで作られている。

ここでもデザインは引き算で作られていると浦野さんは言う。

「ごちゃごちゃした装飾がなくとてもシンプルです。ここを見てくれという主張をせずに、全体で高級感を醸し出しています。僕が乗っている3代目と比べるとパーツの質感は明らかに向上してますね」

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