2025.07.13

CARS

2年待ってRZ34を購入した自動車評論家・国沢光宏が新旧の日産フェアレディZのデザインを比べてみる! 新型は初代の雰囲気を全て受け継いでいる

50年以上、7世代に亘って進化を遂げてきた日産フェアレディZ。その魅力を、初代と初代の雰囲気をしっかり再現した最新モデルとともに探る。新型Zを自ら購入したモータージャーナリストの国沢光宏がリポート。

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初代のイメージを継承しつつ、時代や市場の変化を受け入れながら、50年以上、7世代に亘って進化を遂げてきた日産フェアレディZ。その魅力を、初代と初代の雰囲気をしっかり再現した最新モデルとともに探る。新型Zを自ら購入したモータージャーナリストの国沢光宏がリポートする。

ジャガーEタイプのオマージュですね!?

初代フェアレディZはクルマ好きなら誰でも「ジャガーEタイプのオマージュですね!」と思うことだろう。いや、オマージュという表現だと甘い。同じ事を中国車がやったら「パクり」と書くかもしれません(笑)。いずれにしろ初代フェアレディZとトヨタ2000GTはどんな言い訳してもEタイプのマネでしょう。ただ個人的な意見を書かせて頂くと、Eタイプよりスタイリッシュだと思う。



Eタイプは大きいエンジンを搭載するため、ノーズが長過ぎる傾向。2リッター級の6気筒エンジンまでしか考えていなかった初代フェアレディZや2000GTはバランス良い。ちなみにフェアレディZと2000GTって関連性があるというウワサもある。この件、初代フェアレディZのデザイナーである松尾良彦さんに何度か聞こうと思ったけれど、大先輩とあり、千の風になるまで叶いませんでした。



閑話休題。いずれにしろEタイプのオマージュであること疑う余地なし。イマドキこういった表現はダメながら、初代フェアレディZと比べ2000GTは女性的なシルエット(芸術的と評す方がいい?)を持つと思う。怒られるかもしれないが、正直なところ私は前者のデザインを好む。さてさて、初代フェアレディZの雰囲気、写真を見て解る通り、Eタイプと共通する「細長さ」がある。

興味深いことに2代目のS130と3代目のZ31も細長くて貧弱。強引にリアシートを確保した2by2で顕著だ。細長すぎたので売れ行き落ちた。加えてZ32を開発する時点でのアメリカは「高い横Gを出せなければダメ!」みたいな状況。結果的にワイドトレッドになる。実際、コーナリングスピードが抜群に速かった。「これなら行ける!」とアメリカSCCAのレースに出ちゃったほど。



完全ノーマルだったのに三菱車で同じレースに出ていた日本人ドライバーをコーナーで仕留めてクラス優勝すると「キャンバー変えてる!レギュレーション違反だ」とクレーム付けられ失格となったほど(オフィシャルも標準のキャンバー角を知らなかった)。前澤義雄デザイナーによるZ32は初代と全く異なるシルエットだったものの、素晴らしいデザインだったと思う。

1989年に4代目のZ32を上市した後、日産は低迷。フルモデルチェンジするための開発予算すら確保出来なくなった。2000年にルノーからやってきたゴーン氏がフェアレディZの復活を決め、5代目のZ33の登場になる。個人的には全く魅力を感じず。Z32よりワイド感を出そうとしたため、カブト蟹みたいなシルエットになってしまう。当然ながら売れ行き伸び悩む。そんな状況を6代目のZ34も引き継ぐ。



「欲しい」という気持ちレベルを100とすれば、SR311LとZ32に乗ったフェアレディ好きの私すら10にも届かなかった。そんな中、登場したのが現行フェアレディZである7 代目RZ34 である。見た瞬間「こいつぁ初代S30の素敵な雰囲気を全て持ってますね!」。S30のオマージュと表現していい! Z34の骨格を引き継ぎながら(フルモデルチェンジじゃないから型式は34のまま)、全く違う。

フェアレディZ好きの私としちゃ買うしかありません! ただデビュー当時は納期問題を抱えた。栃木工場の生産ライン(塗装工程)に大きな問題を出し、計画の10分の1以下の台数しか作れなかったのである。結果、プレミアムも付き、転売で儲ける輩が続出。1000万円を超える相場になってしまう。何度か購入を断念しようとしたが、2年間待って納車になった次第。

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