2025.06.20

CARS

新世代GTiは280馬力! ルノー5ターボに続いてプジョーも伝統の称号を復活

ルノー5ターボに続いてプジョーも伝統の称号を復活!

全ての画像を見る
プジョーが「e-208GTi」を発表した。かねてより言われていたとおり、またその名のとおり、新たな世代の彼らが手がけるスポーツ・モデル“GTi”は電気自動車となる。

これぞまさにオッサンホイホイ? 205 GTiを徹底的にオマージュ


そもそもプジョーのGTiの歴史は、1984年の205 GTiで始まった。当初は1.6リットル、2年後には1.9リットル・ユニットを搭載した205 GTiは、優れたパフォーマンスとドライビング・プレジャーを備えながら、スポーティながら控えめなデザインと、独自のバーサタイル性を併せ持ち、Bセグメントのいわゆる“ホットハッチ”のベンチマークとなった。




それから40年余り、309、306、206、207に設定されてきたGTiだが、先代208をもって内燃エンジンでの開発は終了。







そして今回、初のBEV版のGTiが誕生した。しかし、内燃機関から電気モーターへ心臓部が置き換わっても、クラス・トップレベルの動力性能と、実用ハッチバックらしい使い勝手を兼ね備え、ことさらに外観で主張しないことは変わらない。



M4+と呼ばれるモーターは、ステランティスとニデックの合弁会社であるEモーターが手がけ、アルファ・ロメオやアバルトでも使用するもの。最高出力/最大トルクが280ps/345Nmというスペックは、ステランティスのBセグメント用モーターでは最強だ。馬力荷重比は、クラス・ベストの5.7kg/psで、0-100km/h加速は5.7秒、最高速度は180km/hをマークする。



駆動系は減速機組み込み式LSDの採用で、コーナリング時の挙動やアジリティ、スタビリティ、そして効率の向上を図る。

中国CATL製バッテリーは総容量54kWhで、WLTP複合サイクルでの航続距離は350kmだ。充電性能は7.4kWウォールボックスで4時間40分、100kW急速充電での20−80%が30分以下。また、V2L給電も可能だという。



シャシーは、通常のe-208に対しトレッドをフロント56mm/リア27mmそれぞれ拡幅し、30mmローダウン。専用の油圧ストップを組み込んだダンパーとスプリングを採用し、GTiロゴを大書きした18インチ・ホイールには、215/40サイズのミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2を履く。往年の205 GTiホール・デザインを現代解釈したホイールは、ブレーキの冷却性改善にも寄与する。

プジョー・スポールが監修したブレーキは、フロントに355mmのディスクと4ポット・キャリパーを装備。電子制御式の姿勢安定プログラムは、サーキット走行などを想定し、支援システムを停止させるスポーツ・モードを設定する。



エクステリアは、フロントにスポイラー、リアにはフォグ・ライトを組み込んだディフューザーがバンパー下部に加わる。赤いラインの入ったホイール・アーチは、ワイド・トレッド化したバネ下をカバーするため張り出し、大径タイヤをクリアするよう裾がフレアしている。



インテリアは、カーペットやフロア・マット、シートベルトなど、随所に205 GTiを想起させる赤いアクセントを使用。ステアリング・ホイールは、アルカンターラとパーフォレート加工レザーを組み合わせ、エンブレムなどを赤く彩った。



シートは、スポーティなヘッドレスト一体型で、赤い車名ロゴとセンター・ラインが鮮やかだ。右側をメッシュにした表皮は、1.6リットル時代の205 GTiを思い出させる。



BEVの普及はどのメーカーも世界的に足踏み状態だが、プジョーは真骨頂ともいうべきホットハッチ、それも“GTi”という切り札を投入。往年のモデルを愛したファンを、これならば振り向かせることができるかもしれない。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement