2024.02.02

CARS

「中古車乗るならこんなのがいい!」 オヤジの心を熱くする「ホットハッチ座談会」を発掘! ドイツ、フランス車対、イタリア車の戦いの結果は?【『エンジン』蔵出しシリーズ/比較試乗篇】

アウディS3、プジョー308GTi、VWシロッコTSI、アバルト500、アルファ・ミトのホットハッチ座談会

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中古車バイヤーズガイドとしても役立つ雑誌『エンジン』の貴重なアーカイブ記事を厳選してお送りしている「蔵出しシリーズ」。今回は2009年の「エンジンHOT100ニューカーズ」の特別企画として行われた、ホットハッチの比較試乗ナンバーワン決定戦の座談会をお届けする。集めたホットハッチ、イタリア2台、ドイツ2台、フランス1台。うち3台が3ペダルのマニュアル・ギアボックスという実にエンスー的なラインナップが魅力。そしてなんと言っても評議委員を務めた当時はまだ40歳代半ばにあるエンスー派ジャーナリスト3人、清水草一、森口将之、佐野宗弘による抱腹絶倒、忖度なしの言いたい放題座談会が面白い! 今回はその前篇として、アウディS3とプジョー308GTiをお送りする。


変態のクルマが上位にくる企画


── クルマ好き、運転好きが選ぶエンスーな5台ということで集めた5台に乗ってもらったわけです。まず、1位から5位までに5点から1点を付して集計しますと……

上田 アウディS3が8点、プジョー308GTiが10点、VWシロッコTSIが17点、アバルト500が19点、そしてアルファ・ミトが21点。

清水 いやぁ、ぜんぶ良かったなぁ。

── じゃぁ、S3からいきましょ。

ベースとなるA3のモデル・ライフ終盤になって登場した最高性能版がこの5ドア型S3。ドイツでの発表は昨年春。日本への導入は今春。ターボエンジン+クワトロ+Sトロニックとアウディ印全開。


佐野 個人的にはホットハッチたるもの4駆であってはいかんと常々思っているので、点が低くなりました。イイワルイの問題ではなくて。

── というと?

佐野 4気筒エンジンによるFFというのが、これはもうホットハッチのお約束だろうと。6気筒だったり、後輪も駆動するとなると、違う種類のクルマになってしまう。

ピークパワーよりも、ほとんど全回転域で30kgm以上に達するトルクが印象的なS3の2.0リッターターボ・エンジン。苦労知らずの速さ。


── ターボ過給は?

佐野 それも「なし」だったんですが、それを言うと今回は選択肢がなくなってしまうので……

── だよねぇ。

佐野 4気筒2リッターのFFが基本です。

森口 S3がいいクルマであることはまちがいないですよね。ただ、ホットなのかな、という気がします。速い=ホットという時代ではもはやないでしょう。

さすがに高価なだけあって、高級感は随一。ボディサイズに余裕があるだけでなく、座面角度が変えられる電動調整式シートが備わることもあって、ドライビング・ポジションの自由度の高さは、ほかの4台を寄せ付けない。2ペダルの利があるとはいえ、ペダル配置も理想的なもの。運転環境は間違いなく1位。パドルも備わる。


清水 こういうの好きな人、多いんですよ。世の中、こっちのほうが主流派の好みじゃないですか? 精度の高いカチッとした、そしてこのオン・ザ・レール感覚! それじゃつまらないという方が変態では?

佐野 変態のクルマが上位にくる企画ですよね、これ。

上田 機械的によくできていて、5ドアで実用的、実績あるプレミアム
・ブランドでと、売れる要素に事欠かない。しかもこれ、「S」です。

清水 普通に考えたら無敵です。Sとしてはむしろ安いというべきだし。

佐野 最下位にしちゃう僕らが悪いと、そう言いたいわけですね。

森口 5台あれば5位にくるクルマがあるのはしょうがないことです。



清水 このクルマには危うさがない。危うさがない=刺激がない、といえるところはありますからねぇ。

佐野 ターボ過給、デュアル・クラッチのSトロニックは普通のA3にもついてます、いまや。

森口 アウディにはTTもあるのでS3を5ドアだけにしたということはあるんじゃないですか?

清水 5ドアは大正解ですよ。一般向けを考えたら、3ドアはない。

佐野 S3は「アウディが欲しい」というだけでは買えない。分かりやすそうでいて分かりにくい。2重にハードルが仕掛けられたクルマです。そういう意味では、これは非常にマニアックだともいえますがね。


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