2025.06.19

CARS

50年目のゴルフGTI ニュルブルクリンクで市販フォルクスワーゲン最速に

VWゴルフGTIの50周年記念モデルであるエディション50がニュルブルクリンクでお披露目に。

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フォルクスワーゲンが、ゴルフGTIの50周年記念モデルである「エディション50」を、ニュルブルクリンクで披露した。そこでは単なる車両発表ではなく、脅威のタイム・アタックも実施された。

4輪駆動のゴルフRよりも速い!?


レーサーで、フォルクスワーゲンのテスト・ドライバーを務めるベニー・ロイヒターが走らせたゴルフGTIエディション50は、一周20.8kmのノルドシュライフェを7分46秒13で駆け抜けた。



グランド・スタンド前の約200mをカウントしない以前の計測法であれば、7分41秒27で、いずれにしてもフォルクスワーゲンの市販モデルとしては最速ラップだ。

およそ10年前、ロイヒターはゴルフGTIクラブ・スポーツSで、フォルクスワーゲンのFF車では過去最速だった7分49秒21をマーク。2022年には、ゴルフR 20イヤーズで7分47秒31を記録しているが、いずれも旧計測法でのタイムだ。



ロイヒターは今回の結果に「3年前には、前輪駆動のゴルフGTIで、ゴルフRのラップ・タイムを破ることができるなんて、考えもしなかった」と語っている。

現在、ゴルフGTIには265psの標準仕様と、300psのクラブ・スポーツが設定されるが、クラブ・スポーツSは310ps、ゴルフRは333psだった。2026年発売予定というエディション50の最高出力がまだ公表されていないが、ハイパワー4WDより6秒も速くグリーンヘルを走り切るFFモデルは、シャシーにもハイレベルなチューンが施されていることが想像に難くない。

タイム・アタックを行った車両はパフォーマンス仕様のシャシーで、19インチの鍛造ホイールや、専用開発された軽量なブリヂストン・ポテンザのセミスリックを装備している。これらはパフォーマンス・パッケージとして、エディション50にも設定されるという。

正式発表は、ニュルブルクリンク24時間レースの本戦を目前に控えた6月20日。そして、翌日からのレースには、レース専用モデルのゴルフGTIクラブ・スポーツ24hが2台参戦する。



環境燃料を用いるAT3クラスのクラブ・スポーツ24hは、フォルクスワーゲンとシェルが共同開発したE20バイオエタノール燃料を使用。耐ノッキング性を追求した組成で、CO2削減と燃費向上を果たしている。

最高出力はなんと397psで最高速度は265km/hに達する。2024年のマシンより約50psもアップしているが、これはレギュレーション変更による30kgの重量増を埋め合わせるためだと、ロイヒターは説明する。さらに、リア・ウイングを後退させ、ダウンフォースは維持しつつ空気抵抗を低減している。



また、軽量コンポーネンツを活用し、低重心化や重量配分の改善も実現。プロトラック製の軽量ホイールは、バネ下の軽量化だけではなく、ホイール・ベアリングなどへの負荷も軽減し、24時間レースを戦い抜くのに必要な耐久性の向上にも寄与する。



昨年のAT3クラスを制したクラブ・スポーツ24hは、連覇を目指して細部まで改良を施し、準備万全でレースに臨む。グリーン・シグナルが灯る瞬間は、まもなくだ。

文=関 耕一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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