2022.04.07

CARS

現代版ホットハッチはヤンチャな優等生! フォルクスワーゲン・ゴルフGTIに5人のモータージャーナリストが乗った【2022年エンジン輸入車大試乗会】

フォルクスワーゲン・ゴルフGTI

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2022年上半期の注目モデル34台を大磯プリンスホテルの大駐車場に集め、38人のモータージャーナリストがイッキ乗りした恒例の大型企画、エンジン大試乗会。2リッターターボや7段DSGなどパワートレインこそ先代と変わらずとも、それ以外で大幅に進化した8代目ゴルフGTIには、島下泰久、日下部保雄、大谷達也、森口将之、島崎七生人の5人のジャーナリストが試乗した。

伝統を重んじながらハイテクで武装した高性能版ゴルフ

8世代目となるフォルクスワーゲン・ゴルフの高性能版、GTIは2021年12月に上陸した。フロントマスクに入るレッドライン、チェッカード・フラッグを模したフォグランプ、ハニカム・グリルなどで“GTI”を主張する。2リッター直4ターボは245ps/5000~6500rpm、最大トルク370Nm/1600~4300rpmを発生、7段デュアルクラッチを介し、前輪を駆動する。専用チューニングが施されたサスペンションや電子制御油圧式のデファレンシャルロック機構などを備える。全長×全幅×全高=4295×1790×1465mm。ホイールベース=2620mm。車両重量=1430kg。車両本体価格=466万円。



圧倒的な性能をサラリと満喫できる、もはやスーパーカーの領域/島下泰久


新しいゴルフGTIに乗ってまず頭に浮かんだのは、コレはもはやリアル・スポーツカー、いやスーパーカーの領域に入ってきたと言ってもいいんじゃないかということだ。実際のところ、2リッターターボエンジンにDSGを組み合わせて前輪を駆動するという基本的なパッケージングはゴルフVから変わっていないわけで、大げさに聞こえるかもしれない。しかしながら新型は非常に高いパフォーマンスを、素晴らしく洗練されたかたちで味わわせてくれる。実際、エンジンのスペックは先代のゴルフGTIパフォーマンスと同等である。ゴルフ自体の性能の底上げが、ガチガチに固められたサスペンションなど無くても、サラリとこの圧倒的な性能を満喫できるよう導いている。ドライバーは涼しい顔でステアリングを握っていても、外から見るとこれがもう相当に速いというわけである。かつて初代ではアウトバーンを民主化したゴルフGTIは、今では、スーパーカー的な鮮烈な体験を多くのスポーツカーファンに届ける存在になった。乗っていて思ったのは、そんなことだったのだ。

GTIのロゴがあしらわれたステアリング・ホイール、中央にタコメーターを配した液晶メーターなど随所に“GTI”の演出が施されるインテリア。最も印象的なのは、代々受け継がれるタータンチェックのシートだろう。

期待以上の喜びが感じられる、ときめきは変わらない/日下部保雄

手軽な大衆車の代名詞だったハッチバックの足腰を締め上げ、強力なエンジンを積んだモデルとして一世を風靡したホットハッチ。その先陣を切ったのがゴルフGTIだった。思えばいつもGTIのハンドルを握るときは高揚感があった。身体を震わせるようにして吹っ飛んで行った初代GTIから2代目以降もそれは変わらなかった。そしてゴルフVIIIに遅れてやって来た最新のGTIも、やはり期待以上の喜びをドライバーに与えてくれた。ゴルフ定番の安定感と安心感はもちろん、がっしりとした車に合わせて良くチューニングされたサスペンションは硬いが身体に心地よく、フラットな乗り心地をもたらしてくれる。コーナーでのアンジュレーションでも路面を正確に捕らえる。この安定性とハンドル切り返しでのレスポンスに思わずニヤリ。これぞGTI魂の神髄だ。2リッター直噴ターボは高回転までスッキリと回り、しかも低回転から大きなトルクがあって、どこから踏んでも反応。日常では使いやすく、サーキットでも期待を裏切らないパフォーマンスを発揮する。これがゴルフGTIだ。



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