「アルファ ロメオ・ジュニア」が2025年6月24日、日本市場向けにお披露目された。この日は同社がイタリア・ミラノで創業したとされる1910年6月24日からちょうど115年という大きな節目であり、新世代のアルファ ロメオの登場にふさわしい日となった。
久々のエントリー・モデル
ステランティス・ジャパンは6月24日、Bセグメントに属するコンパクトSUV、アルファ ロメオ・ジュニアを導入し、発売した。

アルファ ロメオのラインナップとしては、ジュニアはかつてのミトやジュリエッタの流れを汲むエントリー・モデル。
現行のDセグメント・サルーンのジュリア、そして大小2つのSUVであるステルヴィオとトナーレに加わるニュー・モデルであり、同社初の完全電動化モデルをも含んでいる。
車名の“ジュニア”はこれまでも何度か新型のアルファ ロメオとして登場の噂はあったもので、1960年代のGT 1300ジュニアに由来している。
同じはずなのに、まったく違う
プラットフォームはアルファ ロメオが属するステランティス・グループが用いるe-CMP2で、フィアット、ジープなど各ブランドに兄弟車が存在する。

ジュニアの車体サイズは全長×全幅×全高が4195×1780×1585mm、ホイールベースが2560mm。サスペンション形式は前マクファーソン・ストラット式、後トーションビーム式と共通のもの。
先だって国内導入された同じe-CMP2を採用している兄弟車フィアット600に対しては、5mm短く、10mm低いだけで、車体の幅もホイールベースも同寸(ただし足まわりに関してはトレッド、特に後ろ側が拡大されるなど、アルファ ロメオ独自の味つけも施されていると推測される)。そうなると、とくに前方向からのシルエットは、ほとんど変わらないはずである。
しかし発表会の冒頭、オペラの上演後に暗闇から現れ、ヴェールを脱いだその姿は、フィアット600とはまったく異なる印象を受けた。

スタイリングを手がけたのはトリノにあるチェントロ・スティーレ・アルファ ロメオ。愛らしくふくよかでフェミニンなフィアット600に対し、直線をほぼ用いていないところこそ共通ではあるけれど、ジュニアはきゅっと引き締まった、筋肉質でマスキュランなイメージに仕上げられている。
印象的なのは、斬新な部分とクラシカルな部分が、それぞれ主張しつつも融合しているところだ。