2025.08.13

CARS

人生初のロールス体験は、丸太の上と水のなか!? 3台のロールス・ロイスにイッキ試乗! ローンチコントロールも体験!!

THE MAGARIGAWA CLUBで試乗したのは、カリナン、ゴースト、スペクター、それぞれのブラック・バッジモデル

全ての画像を見る

弾丸のようにクルマが飛び出す

人生初のロールス・ロイスでいきなりイメージを塗り替えられたが、次はサーキットに移動。まずはインストラクターが運転するブラック・バッジ・ゴースト・シリーズIIで3.5kmのサーキットを一周した後、自らハンドルを握った。600psの最高出力と900 Nm の最大トルクを発生する6750ccのV型12気筒エンジンの走りはとにかく優雅で安定している。時速100kmで走っても、まるで居心地のいいリビングで寛ぎながら流れていく窓外の景色を眺めているようだ。クルーズコントロールを時速50kmに設定して、狭い間隔で並べられたコーンの間を通り抜けるスラローム走行にも挑戦したが、自分の拙い運転技術をもってしてもあまり左右に振られなかった。

advertisement




そして最後に乗ったのがロールス・ロイス史上、最もパワフルな最新の電気自動車、ブラック・バッジ・スペクターだ。659psというとてつもない最高出力は、ステアリング・ホイールの位置にある、インフィニティ・ボタンを押すと開放される。このモードにするとよりダイレクトなスロットル・レスポンスを体感できるが、それでいて“マジック・カーペット・ライド”と称される極上の乗り心地は基本的に変わらない。

今年2月に発表されたロールス・ロイスの電気自動車、ブラック・バッジ スペクター。最高出力は、ベースとなるロールス・ロイス・スペクターより74ps高い659psとなる。これまでのブラックバッジ・モデルと同様、パンテオン・グリルやスピリット・オブ・エクスタシーなどはダーククロームで仕上げられている。

だが今回の試乗で最もインパクトがあったのは、圧倒的な加速を可能にするスピリテッド・モードを試した時だ。800mのストレートの前でいったん停止し、左足でブレーキペダルを思いっきり踏み込んだ後、右足でアクセル・ペダルを踏み込むと、クルマがブルッと震えた。そのままブレーキペダルを離すと、クルマが弾丸のように飛び出す。時速100kmまでの加速にかかる時間は僅か4.3秒。心地よいスリルを感じながらスピードメーターを見てみると、時速は一瞬にして時速170kmを超えていた。すごいのは分かるが、一体このモード、どこで使うのだろう……。

すべてのプログラムを終えた後、来日したロールス・ロイスのスペクター・プロダクト・マネージャー、クリストファー・ハーディーさんと言葉を交わした。彼いわく、「我々がどんなにスポーティな性能をクルマに加えたとしても、ラグジュアリー・カーとしての立ち位置は変わりません。ロールス・ロイスはあくまでもロールス・ロイスであり続けることが大切なのです」

オフロードにもサーキットにも対応できる高性能なクルマをつくりながら、ラグジュリアスな世界観は保ち続ける。これこそがまさにロースル・ロイスというブランドの矜持なのだろう。

文=永野正雄(ENGINE編集部) 写真=ロールス・ロイス・モーター・カーズ

(ENGINE2025年8月号)

advertisement

PICK UP



RELATED

advertisement

advertisement

PICK UP

advertisement