2025.07.26

CARS

760万円〜というライバルよりお手頃なプライスタグを掲げるプレミアムSUVのQ5が登場!【アウディ新型モデル発表会・前篇】

【新型Q5】新しいプラットフォームを採用した初のSUV。

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しかし、曲面を多用した立体的なデザインは、新型Q5から突如始まったものではない。すでに発売されている新型A5やQ6 e-tronシリーズからはじまった新時代のアウディに共通するデザインの流れなのだ。実際に、全体的な外観の印象は全く目新しいというものではなく、どこか見覚えがある。Q6 e-tronによく似ているのだ。少し脱線するが、裏を返せば、先に発売されたQ6 e-tronは、フル電動モデルであることを強く主張するタイプのデザインではないともいえる。



一方でQ6 e-tronと大きく異なるのはサイド・シルエットだ。Q6 e-tronはフェンダー・アーチを強調するようなプレス・ラインが前後にそれぞれ入っているのだが、新型Q5は対照的に、ひとつながりのショルダー・ラインが高めの位置に描かれている。テールレンズの意匠をはじめとしたリア周りのデザインは、やはりQ6 e-tronによく似ていて、パッと見では区別がつかない人も多いだろう。



ボディ・タイプはコンベンショナルなSUVスタイルと、クーペ・スタイルのスポーツバックの2種類。後者では、先代に比べてルーフ後端の傾斜角がより大きくなったそうだが、後席の頭上スペースの広さは変わらないようにデザインされているのだという。



車体サイズは全長×全幅×全高=4715×1900×1655mm(SUV)で、先代比では僅かに35mm長く、10mm低いが、都市部など狭小地での取り回しで気になる全幅はキープしている。スポーツバックの寸法は、全高が5mm低い以外、SUVモデルと同じだ。



内装も、すでに見慣れつつある、運転席の前からインパネの中央までつながる曲面の大型有機ELディスプレイを備えた最新世代に共通のもので、基本的なデザインや使い勝手はA5やQ6 e-tronシリーズに準じている。

技術面における最大のハイライトは、すべてのモデルに48Vのマイルド・ハイブリッド・システム「MHEVプラス」を備えたことで、状況が許せば完全に電動モーターの動力のみで走行することも可能だ。ブレーキは油圧の摩擦式と回生を組み合わせて統合制御するために、ペダルと油圧システムが切り離されたブレーキ・バイ・ワイヤ・システムを採用しているという。

ラインナップは3種類、SUVが760万円~、スポーツバックは+35万円

Q5のラインナップは大きく3種類に分かれる。2リットルの直4ガソリン・ターボを搭載するTFSI 150kWと、2リットル直4ディーゼル・ターボのTDI 150kW、3リットルのV6ガソリン・ターボのSQ5であり、このパワートレイン構成も基本的にA5シリーズと同様だ。駆動方式はすべて4WD。ハンドル位置は右となる。車両価格は順に760万円、788万円、1023万円で、スポーツバックはそれぞれ35万円高くなる。



德永氏によれば、ガソリン・モデルをディーゼルよりも安価に設定したのは戦略的なものだそうだ。旧型ではディーゼル・モデルの販売が中心だったため、1回あたりの走行距離が短くディーゼル・モデルを積極的に選ぶことのできなかった都市部のユーザーにも訴求したいのだという。

ライバルはメルセデス・ベンツGLCやBMW X3などということになるだろう。しかし、新型Q5が760万円〜に対し、GLCが819万円、X3が808万円からのプライスタグである。旧型Q5のデビュー時(2017年=657万円〜)からは値上がりしているが、何もかも値上がりの時代にあって、かなり戦略的に抑えた価格にしたともいえる。



新型Q5は激戦区のミドル・クラスSUV市場に新たな旋風を吹かせる存在になること請け合いだろう。しばらく注目が外せないニュー・モデルの登場である。

文=村山雄哉(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)
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