46人のモータージャーナリストが「2025年のいま身銭を切ってでも欲しい」クルマを選ぶエンジンHOT100。ライトウェイトなMT車にフォーカスしたと言う個人的趣味全開の『エンジン』の主筆編集部員、上田が選んだ1位はこのクルマだ!
エンジン編集部上田の選考理由「ライトウェイトなMT車」
基本、2024年同様ライトウェイトなMT車です。電動化全盛時代でも車両重量1.5t以下で踏ん張るクルマにフォーカスした、個人的趣味全開の20台。物理学的にもエコの観点からも軽さは正義だし、手動変速は対高齢者のある種の安全運転デバイスともいえます。新規参入とカタログ落ち、発想の転換で6台を入れ替えたけど、まだまだ選べるでしょ?
20位 ダイハツ・グランマックス
余計な装飾のない商用車にこそ車という機械の本質が。タウンエースのMTはカタログ落ちだがダイハツの兄弟車グランマックスは2駆も4駆もMTが!

19位 トヨタGR86
末期のスープラと悩むもやはり車重1.5t以下にこだわって86の方を選出。ロールケージ&LSD&アイサイト付きで1.3t以下のCup Car Basicが理想。
18位 スバルBRZ
最上位STIスポーツでも400万円以下。生産&開発という意味でオリジンであることに敬意を表し86より上に。これもまた日本が世界に誇るべき一台。
17位 ホンダ・シビック
MTはシビックRSにもあるし、そちらは80kgも軽い。けれど、あのエンジンの咆吼とあのシフトの感触はオンリーワン。注文一時停止中ゆえこの順位。
16位 モーガン・プラス・フォー
車趣味人の最後の到達点か? 登場後も延々と改良する姿勢にも惚れる。その形ゆえ風の巻き込み前提なので、心地が良い速度域はMTが断然楽しい。
15位 ポルシェ718ケイマンGTS4.0
車重1405kgとボクスターより70kg重いのでこの順位。理想は911にNAフラット6を載せるS/Tですがその代替えとして選出。万能感は911に劣らず。
14位 ロータス・エミーラ
実はトヨタ版V6の方がAMG版4気筒よりわずか1kg重く1458kgあるが、MTの魅力には抗えず。初期エヴォーラのような大人向けの味つけ版も欲しい。
13位 ポルシェ718ボクスターGTS4.0
これ1台でなんとかなる、という完成度&万能性と、ポルシェ謹製自然吸気フラット6を自分の意思で自在に操れること。本当にその2点に尽きます。
12位 アバルトF595
車台と出力のバランス、デザインゆえの整備性の悪さと欠点もあれど、やはり欧州小型ホットハッチの生き残りの一台。F595最終型を駆け込み発注したい。
11位 マツダ2
往年の欧州小型実用車のようだったディーゼルはなくなったけど、モータースポーツのベース車の15MBはまだ購入可。アンダー180万円なのもスゴイ。
10位 トヨタ・ヤリス
素のXでも6段MTながらACCがあり、それでいてマツダ2より60kg軽い980kg! ラリーやニュルでもすごいけど、すべてはこの基準モデルあってこその話。
9位 スズキ・スイフト・スポーツ
ヤリスより軽い驚異の970kg。しかも220万円でお釣りがくる! 最終限定車もいいけれど「鈴木修の残した言葉」にあるスズキの哲学とは少々違う気が。
8位 ホンダN-VAN
e:は未試乗ゆえ除く。ICE版に、荷車だからこそ操る楽しさを、と絶品シフトフィールを与えたホンダに心より感謝。オトーサンの動く趣味部屋に。
7位 ホンダN-ONE
ホンダ党なら家族車に最適。これも免許取得者に最初に乗せたい一台。あと見た目がいま少し愛らしく大人っぽく、例えばホンダe:のようなら万々歳。
6位 スズキ・ジムニー
シエラよりノマドよりやはりスズキの哲学「小・少・軽・短・美」が明確な3ドアが本命。このクルマの前に酷道はない。家族が免許取得したら一推し。
5位 ダイハツ・コペン(GRスポーツ含む)
同じ2座オープンスポーツと考えればロードスターより160kgも軽い。長く生産することが前提の計画とはいえ、熟成が進まないのが何より惜しい。
4位 マツダ・ロードスター
僅かに1tオーバーだが素1010kgのSの軽快感たるや他に比類するものがなく、ここまで入念に長く改良を続けるオープンスポーツカーもない。
3位 フィアット500
コンセプト・カーだったトレピウーノからずっと恋い焦がれ、取材でイタリアへ何度も足を運んだ身としては、ロボタイズドのMTとはいえこの最終型は見逃せない。最後の最後に左ハンドルのMTを輸入してくれたりしたら即買いなんですけど。

2位 ダイハツ・ミライース
2025年一番の注目車なんですが、実は20台中唯一の例外でMTに非ず。740kgの車重と近々登場と噂されるMTのGRスポーツ版のベース車ということで選出。先々代3ドアTXの4駆MT仕様、L285型のドラシャを抜いて遊びたい今日この頃です。
1位 ケータハム・セブン
ここ数年不動の1位。クラムシェル・フェンダーのスーパー・セブン600が理想です。注文後、一度英国で納車してもらい、Bロードを散々走ってから日本へ持ち帰るような旅をしたい。車両重量440kgなら絶対走って楽しくD.I.Y.整備も楽なはず。

文=上田純一郎
■エンジンHOT100とは?モータージャーナリストが2025年のいま身銭を切ってでも欲しいと思うクルマ100台の順位を決める雑誌『エンジン』の名物企画、エンジンHOT100。そのHOT100の源となるのが、ジャーナリストと編集部員による投票「マイホット20」である。今年も、「マイ・パーソナル・ベストはこれだ!」というテーマの下、46人が思い思いの20台を選び、その選考理由を記した。各位のクルマに対する姿勢や価値観が垣間見えるこのマイホット20には、HOT100の結果に勝るとも劣らぬ価値と楽しみが詰まっている。
(ENGINE2025年9・10月号)