2025.10.02

CARS

これは「至福の時間」が味わえるスポーツカーだ! 斎藤聡(自動車評論家)が1位に選んだ無くなるのが惜しいクルマとは?

「クルマの面白さは、操ってナンボ」という齊藤聡さんの20台は?

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46人のモータージャーナリストが「2025年のいま身銭を切ってでも欲しい」クルマを選ぶエンジンHOT100。クルマの運転は自分にとって息をするようなものと言うモータージャーナリストの斎藤さんのマイHOT 20の1位は、このクルマだ!

モータージャーナリストの斎藤聡の選考理由「走らせて楽しく感動的なクルマ」

EVの登場によって0→100km/h加速が2秒台のクルマが数多く登場した。メーカーはそれを誇るが、私は反対に冷めた。そこに面白さを全く感じないからだ。クルマの面白さは、操ってナンボ。クルマをこう走らせたいというエンジニアの思いと作り込み。研鑽したドライブテクニックは操る面白さの地平を広げてくれる。そんな世界観のある、走らせて楽しく感動的なクルマを選んでみた。

20位 アウディQ8 e-tron

かつて慣れ親しんだトルセンAを使ったB7型S4クワトロの走りのテイストを見事に再現。モーター制御で走りのテイストが作り込めることに感動した。

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20位 アウディQ8 e-tron

19位 ヒョンデ・アイオニック5N

昨今のEV化の波を逆手にとってEVの特長を生かして走りの性能に振ったエポック。試乗中、ずっと歓喜を叫び続けていた。声がかれた。

19位 ヒョンデ・アイオニック5N

18位 メルセデスAMG GTクーペ

私の選定基準唯一の例外。雨の試乗で恐ろしくてアクセルを床まで踏めなかった。こんな経験は久しぶり。振り切った刺激と迫力に脱帽。

18位 メルセデスAMG GTクーペ

17位 シボレー・コルベット

アメリカンマッチョを体現したコルベットならZ06だろうと思ったが、むしろトルクのぶ厚さが先にくる2LT、3LTをよりらしいと思ってしまった。

17位 シボレー・コルベット

16位 ホンダ・シビック

(タイプRの)アクセルを踏んだ瞬間、ブワッと膨らむトルク、同時に豪快に体を前に蹴とばす鋭い加速。FF車最速を求めた説得力。

16位 ホンダ・シビック

15位 レクサスRC

(RC Fは)5リッターNAエンジンを搭載。いまや世界でも珍しくなった大排気量FR。繊細さや緻密さはイマひとつだが、他に代え難い豪快さがある。

15位 レクサスRC

14位 スバルBRZ

コンパクトFRスポーツの秀作。FRの基本、弱アンダーセッティングで、荷重移動でクルマの姿勢を自在に操れる。FRの走りを覚え磨くのに最適な一台。

14位 スバルBRZ

13位 フォルクスワーゲン・ゴルフ

特にゴルフRにフォーカスしたい。その走りは精巧で骨太。力強いエンジンと、脚まわりの良さを備え、それを悟られない(?)控えめな外観が魅力。

13位 フォルクスワーゲン・ゴルフ

12位 トヨタGRヤリス

いま国産車で買うことのできるアグレッシブな4WDの一台。その機敏かつパワフルな走りは純粋に楽しい。かつ世界屈指のスポーツ4WDでもある。

12位 トヨタGRヤリス

11位 アウディA6/S6

S6のセンターデフは40対60のトルセンC。シンプルで自然な差動制限はセダン用4WDとして最も優れていると信じている。ぜひ残してほしいメカニズムだ。

11位 アウディA6/S6

10位 日産GT-R

4WD制御はR34GT-Rの制御ロジックとよく似ていて、それを踏まえて操作するとコントロールは自由自在。モンスター級マシンを振り回す快感ときたら。

10位 日産GT-R

9位 BMW Z4

ショートホイールベースなのに直進安定が高い。素性と味付けは別なのがよく判る。基本ディテールがセッティングの自由度を作りだすのを実感した一台。

9位 BMW Z4

8位 トヨタGRスープラ

ホイールベース・トレッド比と重心高でクルマの素性は決まる、と言ったのはGRスープラ主査時代の多田哲哉氏だった。それが実感できるスポーツカーだ。

8位 トヨタGRスープラ

7位 日産フェアレディZ

かつて所有していたS30型を彷彿とさせるデザインが良い。走らせると、遠くのほうに、かつて夢中になって走っていた日産FRスポーツのテイストが。

7位 日産フェアレディZ

6位 BMW M2クーペ

アップテンポでかつ正確な操作を求められるが、それが精度の高い鋭い走りをもたらしてくれる。BMWの真骨頂ともいうべきスポーツマインドがある。

6位 BMW M2クーペ

5位 BMWアルピナB3 GT/D3 S

機械のように正確な操作が求められるBMWをベースに、このクルマの中だけゆったりと時間が流れるような独特の高級な空気感を持っている。得難く尊い。

5位 BMWアルピナB3 GT/D3 S

4位 アストンマーティン・ヴァンテージ

運転していて体とクルマがシンクロする不思議な一体感がある。操縦性は依然としてステアリングをきっかけに後輪で曲がる、古き良きFRスポーツカーの感覚。

4位 アストンマーティン・ヴァンテージ

3位 ポルシェ718ケイマンGTS4.0

堅牢なボディが作り出す、精度が高く懐の深い操縦性がケイマンの魅力。GTSはそれに加え4リッター水平対向6気筒エンジンによって、シャープで滑らかな走りと独特の鼓動の強い存在感を手に入れた。エンジンはスポーツカーの貌、と言える一台。

3位 ポルシェ718ケイマンGTS4.0

2位 マツダ・ロードスター

速さを指標としないスポーツカー作りのお手本。価格的には安いがサスペンションジオメトリーの巧みな設計によって、文字通り車が手足のように走る楽しさを楽しむことができる。クルマを走らせ楽しむことに奥深さがあることを教えてくれる。

2位 マツダ・ロードスター

1位 アルピーヌA110

初めてA110を走らせたときの驚きと感動を今でも鮮明に覚えている。アクセルを踏み、ステアリングを切り、クルマにアクションを与えた時、まるで手足を動かしているかのように感じられる一体感と万能感がある。それはまさに至福の時間。

1位 アルピーヌA110

文=斎藤聡
 
■エンジンHOT100とは?
モータージャーナリストが2025年のいま身銭を切ってでも欲しいと思うクルマ100台の順位を決める雑誌『エンジン』の名物企画、エンジンHOT100。そのHOT100の源となるのが、ジャーナリストと編集部員による投票「マイホット20」である。今年も、「マイ・パーソナル・ベストはこれだ!」というテーマの下、46人が思い思いの20台を選び、その選考理由を記した。各位のクルマに対する姿勢や価値観が垣間見えるこのマイホット20には、HOT100の結果に勝るとも劣らぬ価値と楽しみが詰まっている。

(ENGINE2025年9・10月号)

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