2025.12.16

CARS

神の領域に達した水平対向6気筒4リッター自然吸気エンジン!第7位はレーシングカーの領域へ踏み込むスポーツカー【2025年買いたいクルマBEST 20】

速いだけでなく、その超高性能をあらゆるドライバーに正確に伝えることができるクルマ。

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46名のジャーナリストと編集部員、そしてEPC(エンジン・プレミアム・クラブ)会員が加わって、2025年の今だからこそ買いたいと考える20台にポイントをつけて投票し、新車で買える注目の100台を選んだ。総合第7位にランクインしたのは9000回転まで回る水平対向エンジンを搭載するこのスポーツカーだ!

>>>総合8位はこちら<<<

第7位! ポルシェ 911GT3 185pt

911では唯一の水平対向6気筒4リッター自然吸気エンジンを搭載するGT3は、もはや神の領域。究極にピュアなポルシェの走りの世界を味わうなら、コレしかない!



911、中でもGT3を推す人々が、その魅力として挙げるのが、「9000rpmまで回る」と島下泰久さん、藤島知子さん、桂伸一さんが口を揃える、もはや「911唯一の自然吸気(新井一樹さん)」となった水冷4リッター水平対向6気筒ユニットだ。

992.2型のGT3で510ps、992.1型GT3RSで525psを絞り出すパフォーマンスやレスポンスの鋭さなど「サーキットを満喫できる仕立てでありながら、コンビニに出掛けられる懐の深さには、もはや脱帽(藤島さん)」なのだが、とりわけ人々の心を掴んで離さないのは、「むせび泣くエンジンサウンド(桂さん)」で、エンスージアスティックな一面もしっかりと残し、両立させていることにある。



加えて992型GT3で魅力的なのが「前脚のダブルウイッシュボーンがもたらすカチッとしたステアリングを知ったら……。もうストラットには戻れない(新井さん)」と思わせる、シャシーにある。

これだけのハイスペックなのに「リアのスタビリティも高く、加速時に破綻することはない(EPC会員・鯰江さん)」。そして「ひとたびサーキットに持ち込むと、ひと昔前に乗ったマラネロのレーシングカーよりも活き活き(EPC会員・夏のオヤジさん)」とするキレッキレのハンドリングは「速く走ることに意義がある」まさに「硬派の典型(どちらも日下部保雄さん)」といえる。



特にGT3RSに至っては、大きな手で路面に押さえつけられているような圧倒的なダウンフォースを生み出すエアロダイナミクスを含め、「公道でこのモデルの実力をすべて引き出すことは不可能(竹花寿実さん)」で、「レーシングスポーツを飛び越えて、レーシングカーの領域へと到達(山田弘樹さん)」しているのだが、そのうえで「速いだけでなく、その超高性能をあらゆるドライバーに正確に伝えることができる(吉田拓生さん)」饒舌さも、このクルマの比類なき凄さなのだろう。

その一方でGT3のもうひとつの魅力といえるのが、山崎元裕さんが「個人的にチョイスしたい」というツーリング・パッケージの存在だ。そのアイデンティティのひとつといえるGTウイングを取り払うという“逆行スペチアーレ”手法で「目立ち過ぎるルックス故に行動は控えめに(桂さん)」と思っていた人々の痒いところにも手を届かせようとするポルシェの姿勢は、大井貴之さんが「素の911が一番楽しい! と言い続けて来たが、こっそり素のGT3が一番楽しいに言い換えてしまおうか」というように、911を超えて911GT3という新たなモデルレンジが成立した気にすらなる。



そんな911GT3ファミリーの唯一の問題点は「ずっと目指すべき頂点として憧れ続けてきた。が、性能も価格もどんどん上がり続けて、今はただ見上げるのみ(村上政さん)」ということに尽きるのだが、「きっと今後、こうした走りの世界を味わうのは難しいはず」という島下さんの言葉も事実。それゆえ「最初で最後のポルシェにしたい(EPC会員・酒大好中毒的親爺さん)」というひと言、強く共感します。

文=藤原よしお

■ポルシェ 911GT3
最高出力 510ps/最大トルク450Nmを発揮する水平対向6気筒エンジンを搭載。サスペンションは前:ダブルウイッシュボーン、後:マルチリンクを採用し、シュアなハンドリングとハイパフォーマンスカーらしからぬ良い乗り心地を実現。911GT3の車両本体価格は2868万円~。 

■ポルシェ 911GT3には12人が投票!
185pt/新井17pt+竹花17pt+島下17pt+藤原17pt+日下部16pt+山崎13pt+大井12pt+藤島12pt+桂11pt+山田9pt+村上6pt+吉田(拓)3pt+EPC35pt

■911GT3に投票した上位5名のジャーナリストの「マイホット20」はこちらでチェック!

「試乗した時から1位はこれだと心に決めていた!」新井一樹
「これ1台あれば他に何もいらない!」竹花寿実
「とろけるようにしなやかなのに、飛ばすほどフラットになる乗り味に感動」島下泰久
「色褪せない自然吸気フラット6と6段MT!」藤原よしお
「このクルマは日本が世界に誇るべき名車である!」日下部保雄

(ENGINE2025年9・10月号)

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