2025.09.02

CARS

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ベントレー・ベンテイガ EWB マリナーで九十九里から北総の小江戸へ 自動車の誕生当時、ひとびとが夢見た理想のグランドツアラーがここにある!

“北総の小江戸”と呼ばれる佐原を行くベントレー・ベンテイガ EWB マリナー。

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ベントレーのSUV、ベンテイガ EWB マリナーで、運転席と後席を代わる代わる楽しみながら、房総の海と、旧きよき街並みを訪ねるショート・トリップへ。日本のみならず、世界の道で現行ベントレーたちを試した経験もある自動車ジャーナリストの藤原よしおが、今回の道中であらためて感じたこととは?

速さよりも求められたこと


意外に思われるかもしれないが、世界最初の自動車レースといわれる1894年の『パリ・ルーアン、プチ・ジャーナル無馬車コンテスト(Concours du 'Petit Journal' Les Voitures sans Chevaux)』で、最高賞の「理想に最も近い自動車を作った競技者」賞を受賞したのは、トップでゴールした蒸気自動車ではなく、「危険ではなく、運転しやすく、移動にかかる費用が安価」と評された2位と4位のガソリン・エンジン車だった。



そう、この世に自動車が生まれた当初は、その性能は瞬発的な「速さ」よりも「いかに遠くまで、確実に安全に移動できるか」の方に重点が置かれていたのだ。それこそがグランド・ツーリングの原点であり、そこに価値を見出した富裕層が、自動車に性能、速度、快適性、アメニティを求めた結果、ラグジュアリー・カーというジャンルが生まれることになった。



ベントレー・ベンテイガ EWB マリナーのステアリングを握って、延々と続く海岸線を走りながら思ったのは、このクルマが生粋のラグジュアリー・カーであるとともに、紛れもないグランドツーリング・カーだ、ということだった。少々大げさだが、このクルマには自動車を生み出した当初、人々が夢見たものがすべて詰まっているとも言えるのである。

まるでベントレー・ボーイズたちのようなタフさ


2015年、ベントレーが同社史上初のSUVとしてベンテイガを発表したとき「ベントレーよ、お前もか!」と、生まれながらのスポーツカー、ドライバーズ・カー・メーカーを謳ってきたベントレーが無骨なSUVを出すことに違和感を覚えた方も少なくないだろう。しかし今、ベンテイガが名実ともにベントレー躍進の象徴となっていることに異論を挟む余地はない。



実際、自分自身も世界各地、様々なシチュエーションでドライブする機会を得て、道や天候、環境を問わずに速く、快適に、かつ悠々と走りきるベンテイガに見たのは、英国からドーバー海峡を渡ってル・マン24時間を走りきり、そのまま南仏を経てロンドンに帰国したという往年のベントレー・ボーイズたちのような、タフさ、力強さだった。



その後2020年に内外装をアップデートした現行モデルへと正常進化を遂げ、2022年にロング・ホイールベース化したベンテイガ EWBが加わったことで、SUVの枠を超えた真のラグジュアリー・カーとしての要素も手にいれることとなった。

それをさらに深く究めたのが、このベントレー・ベンテイガ EWB マリナーなのだ。ベースとなるのは、スタンダード・モデルに比べホイールベースを180mm延長し、そのすべてをリア・シートの居住スペース拡大に充てたボディに、最高出力550ps、最大トルク770Nmを発生する4リットルV8ツインターボ・エンジンを搭載したベンテイガ EWB。



そこへ“マリナー”はダブル・ダイヤモンド・フロント・グリル、22インチ・マリナー・ホイール、ウイング・ベント、セルフ・レベリング・ホイール・バッジを備えた専用のエクステリアを採用。



さらに22通りの調整が可能で、最大40度までリクライングできるシートを備える「ベントレー・エアライン・シート・スペシフィケーション」を標準装備したインテリアには、各シートとドアに専用のマリナー・ハーモニー・ダイヤモンド・キルトがあしらわれる。



さらにキャビン全体になめし工程でオリーブ・オイルの製造時に生成される有機副産物を使用するオリーブ・タン・レザー、ディープ・パイル・オーバー・マットに100%ピュア・ウール、キャビンのカーペットにリサイクル・ナイロンを採用するなど、長年ベントレーのビスポークを担い、究極のクラフトマンシップを誇ってきたマリナーの名に相応しい、ラグジュアリーでありながらサステナブルな空間へと仕立て上げられている。





もちろんステアリングを握れば、パワフルで頼もしいV8エンジン、スムーズな8段AT、そして後輪操舵の「エレクトロニック・オール・ホイール・ステアリング」、48Vの電動式アクティブ・ロール・コントロールの「ベントレー・ダイナミック・ライド」の効果で、とても全長5305mm、車重2520kgという巨体を動かしているとは思えないほど、小気味のいいハンドリングを楽しみながら走ることもできる。ドライバーズ・カーとしてのベンテイガ EWB マリナーは文句なく最高だ。



しかしそれ以上に素晴らしいのは、やはり肌触りがよく、静かで、見た目も上質で艶やかなリア・キャビンで過ごすひとときだ。リクライニングも空調も照明も自分好みにセットアップできるリア・シートに身を委ねていると、まさに「時間を忘れる」ほど、あっという間に目的地に到着してしまう。



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純和風の街並みに違和感なく溶け込む


そうして着いた先は成田空港にも程近く、インバウンドの観光客にも人気の千葉県香取市佐原。小野川沿いに広がる古きよき街並みは、自動車が発展するまで舟運による交通の要所、商業の拠点として発展した”北総の小江戸”、”水郷の町”と呼ばれる場所で、その美しい景観から関東で初めて重要伝統的建造物群保存地区に指定されたことでも知られている。

また、江戸時代の天文学者、地理学者で日本全国を測量し「大日本沿海輿地全図」を完成させた伊能忠敬の出身地でもある。



いつもなら都内から成田空港まで、ダイレクトに移動するばかりだが、ちょっと足を伸ばしただけで、まるでタイムスリップしたかのような風情ある街並みが広がっていることに、素直に驚いた。そこでは新たな発見もあった。ブロッガーとペール・ブロッガーのデュオ・トーンに彩られたベンテイガ EWB マリナーが、純和風の街並みにも不思議と溶け込んで、マッチしていているのだ。



ただその時には「そんなこともあるのだな」くらいにしか思わなかったのだが、レストラン「LE UN」のパーキングにベンテイガ EWB マリナーを停め、地産地消をテーマとした創作フレンチに舌鼓を打っている時に、ふと思い出したのが、「食器は料理のきもの」という稀代の美食家であり、書家、陶芸家としても知られる北大路魯山人の言葉だ。



どんなに最高の食材を使い調理した料理も、それを彩る器、空間、雰囲気、そして共に過ごす人々や会話次第で、より素晴らしいものにも、そうでないものにも変わってしまうように、どんなに美しく豪華で高性能なものであっても、そのクルマの使われ方や、置かれる環境によっては、魅力が半減してしまうことにもなりかねない。



もしベンテイガEWBマリナーが佐原の景色や人々に「異物」として捉えられるようなストレスを与える存在であったなら、街並みに溶け込んで見えたりはしなかったはずだ。



そしてベンテイガ EWB マリナーが、グランドツーリングやラグジュアリーに程遠い乗り物であったなら、散々走り回った後でそうした感慨を抱くことは難しかったに違いない。



それこそがベントレーが近年提唱し続けているウェルビーイング(well-being=身体的・精神的・社会的に良好な状態)の精神なのだ。

世の中には出発点から目的地までの距離をただ移動するだけの乗り物は山ほどある。しかし同じ道のりを確実に安全に、快適にかつ素早く移動する。そして中に乗る人だけでなく、周りの人や環境にも悪影響を与えないという乗り物は多くない。



そういう意味でもベンテイガ EWB マリナーは、100年以上前の人々が夢見た理想のグランドツーリングの到達点というべき1台と言えると思う。

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■ベントレー・ベンテイガ EWB マリナー
駆動方式 フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長×全幅×全高 5305×1998×2222mm
車両重量 2520kg
エンジン形式 水冷V型8気筒DOHCツインターボ
排気量 3996cc
最高出力 550ps/5750-6000rpm
最大トルク 770Nm/2000-4500rpm
トランスミッション 8段AT
サスペンション形式 (前)ダブルウィッシュボーン+エア
          (後)マルチリンク+エア

ブレーキ(前後) 通気冷却式ディスク
タイヤ(前後) 285/40ZR22
車両価格(税込) 4038万円

文=藤原よしお 写真=山本佳吾

(ENGINE Webオリジナル)
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