2025.09.05

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カシオの腕時計はG-SHOCKだけではない!機械式時計もラインナップするカシオの特徴とは

カシオ G-SHOCKの最高峰「MR-G」

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「G-SHOCK」と聞くと、おそらく多くの人がアノ時計を思い出すだろう。このG-SHOCKをはじめとする丈夫な腕時計を手がけるのが日本のメーカーのカシオだ。今回は、腕時計のメーカーとして広く知られるようになったカシオがどのような会社なのか、カシオの腕時計ラインナップ、新たな一歩を踏み出したカシオ時計について解説する。

腕時計のメーカー?実は電卓メーカーのカシオ

カシオの正式名称は、「カシオ計算機株式会社」だ。

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実は、創業当初はこの社名ではなく、「樫尾製作所」(1946年創業)だった。その後、世界初の小型電気式計算機を製品化し、1957年に「カシオ計算機株式会社」となった。



カシオが初めて発売した時計は、1974年11月に登場した「カシオトロン(QW02)」だ。このカシオトロンは、世界初となるオートカレンダーを搭載した電子腕時計で、日付の調整を自動で行うことが特徴となっている。これまでカシオが計算機(電卓)で培ってきた技術を取り入れたデジタル時計が初の腕時計カシオトロンなのだ。

そして、1983年11月にカシオの代表作となる「G-SHOCK(DW-5000C)」が発売された。

これまで、“精密機器である時計は慎重な取り扱いをしなければならない”というのが常識だったが、G-SHOCKはその常識を覆す耐衝撃・耐振動を実現した時計として登場した。



現在も続いているカシオの時計事業は、今ではカシオを支える根幹事業となっている。2023年度中間事業報告書によると、カシオの売上高(1,355億円)のうち、61.2%(818億円)が時計事業だ。

カシオは、G-SHOCKをはじめとする腕時計のほかにも、さまざまな事業および製品を展開している。カシオのその他の事業および製品には、電卓や電子辞書、電子ピアノ、ラベルライター、AIペット、医療用カメラ、プロジェクター、ウェアラブル端末などがある。

カシオの腕時計ラインナップ

カシオの腕時計には、どのようなモデルがあるのだろうか。ここでは、カシオ腕時計の主なシリーズをまとめて紹介する。



・G-SHOCK(耐衝撃ウォッチ)
・BABY-G(女性向け耐衝撃ウォッチ)
・OCEANUS(高機能アナログウォッチ)
・PRO TREK(アウトドアウォッチ)
・EDIFICE(高機能メタルウォッチ)
・SHEEN(女性向けメタルウォッチ)
・CASIO Collection(スタンダードウォッチ)

カシオの腕時計には、主に上記のシリーズがある。また、主力シリーズであるG-SHOCKには、最高峰のプレミアムモデル「MR-G」や、メタルと樹脂の融合をコンセプトとしている「MT-G」など、さまざまなバリエーションが存在する。

腕時計ブランドとして新たな一歩を踏み出したカシオ

オートカレンダー腕時計からスタートしたカシオの腕時計は、電波時計、光で充電できるソーラー時計、これらを組み合わせたソーラー電波時計と、新たな技術を取り入れた腕時計に進化していった。



そんなカシオが、2025年6月にカシオ初となる機械式ムーブメントを搭載したEDIFICEを発表。このニュースを目にしたとき、「ついにカシオも機械式ムーブメントを搭載するようになったのか」と驚きを隠せなかった。

初の機械式ムーブメントを搭載するモデルは、EDIFICEのEFK-100XPBおよびEFK-100YCDだ。このモデルには、文字盤にカシオ初となるフォージドカーボンを採用している。スポーツカーのパーツなどに使われるフォージドカーボンの文字盤は、見る角度によって繊維状の模様が浮かび上がり、独特な表情を見せる。

また、EFK-100XPBには、ケースにもフォージドカーボンが使われている。加えて、インデックスや針、ウレタンバンド、三つ折れ式のDバックルもブラックで仕上げられ、トータルコーディネートがされている。

デジタルウォッチから始まったカシオは、アナログウォッチ、電波時計、ソーラー時計、電波ソーラー時計と進化していき、2025年に高級時計にも採用される機械式ムーブメントを新たにラインナップした。

今後カシオは、機械式ムーブメントを搭載する時計を増やしていくのか、プレミアムブランドとしての戦略に舵を切るのか、どのような展開をしていくのか楽しみなメーカーといえるだろう。

プレミアムモデルはPPLで製造される

カシオは、G-SHOCKの最高峰にあたるプレミアムモデル「MR-G」、高機能かつ薄型でエレガントなプレミアムアナログウォッチ「OCEANUS」など、プレミアムモデルをラインナップしている。



これらプレミアムモデルは、山形カシオ「Premium Production Line(PPL)」にて製造されている。このPPLでは、画像認識システムやセンシングなどの機器を取り入れているだけでなく、人の目と手を使って細かな調整をしながら針の取り付けやケーシングなどを行っているのが特徴だ。

MR-GやOCEANUSなど、プレミアムモデルの高い精度や細部の美しさは、このPPLによって作り出されているのだ。

近年カシオは、プレミアムモデル(特にG-SHOCKのMT-G)のバリエーションを充実させているだけでなく、機械式ムーブメントにも挑戦している。このようなことから、カシオは腕時計ブランドとして新たな方向に向かっていると考えられるだろう。

文=齊藤優太(ENGINE編集部)

(ENGINE Webオリジナル)

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