2025.11.09

LIFESTYLE

この写真の芝生広場は何だと思いますか? これが住宅だと聞いてびっくり 施主が建築家に依頼した内容にまたびっくり

なぜ個人の住宅に直径23mの巨大な芝生の広場があるのか? その理由は・・・

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広さを求めて田舎へ

それまで2人が暮らしていたのは、都心のマンション。中型犬の飼育は2頭までと制限があったが、集合住宅の規定はどこも同じように厳しい。そこで、保護動物たちが自由に遊びまわれる、広い庭のある自分たちの家を持つことにした。もっともそれなりの敷地を確保するとなると都市部では難しいため、東京を離れた“田舎暮らし”となるが、そこは厭わなかった。

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新居の敷地は、土地鑑がある海からも近いエリアに決め、津波の心配のない場所をハザードマップで確認して選んだ。災害時には、近所の動物たちも避難できる家になればと考えている。

このようにTさん夫妻の生活は、動物保護の活動に多くを捧げたもので、クルマ選びも例外ではない。いざという時に動物たちを乗せて逃げられるうえ、将来の田舎暮らしを想定して4輪駆動車を選んできた。現在の所有車は、Tさんがジープ・ラングラー(2017年型)で、大日方さんはスズキ・ジムニー(2020年型)。実は大日方さんにとって、ジムニーが最初のマイカーである。

田舎暮らしに合わせ夫婦共に4輪駆動車に。

「小さくて小回りが利くので、都内の生活で便利なうえ、走って楽しく、何よりデザインが良いので気に入っています」

新車で購入し、6年間生活を共にしてきた。一方、Tさんのラングラーは、ジープらしい武骨でシンプルな内装のJKタイプの最終モデルを、新古車で手に入れた。

保護動物と暮らすという発想で建てられたT邸は、直径23mの芝生のドッグランが中心で、居住部はその一角に小さく設けられている。間取りは、1階がリビング・ダイニング・キッチン。2階が、寝室に風呂、Tさんの書斎に、大日方さんの鏡台。どちらの階も、空間を仕切るものがない大きなワンルームの構成で、床から天井までの大きな窓が庭に面していくつも配され、借景の緑と合わせて開放感のある空間になっている。

リビング。外の塀が屋内にまで入り込んでいる。床も壁も、名のある左官が仕上げた美術品でもある。窓から見える借景の緑も気持ちよい。

内装も、動物がかじっても傷が目立たないように、また、環境に慣れずに、動物が床に粗相をしてしまっても、簡単に拭き取れるような仕上げを採用した。さらに、保護動物の脱走防止のため、玄関はできるだけ小さくし二重に扉を設けた。

室内空間は、作品を飾るスペースを予め考慮して設計されている。家具や家電類も、本当に必要なものだけが吟味されて置かれており、美術館のようなミニマルな雰囲気だ。収納も大きくせず、たまにしか使わないものは、倉庫にしまっておくのが2人のポリシー。東京時代の家では8畳あったウォークイン・クローゼットも、引っ越しに際して持ち物を大幅に整理し、2畳ほどのサイズにした。

ダイニング付近では、外から続く塀が屋内で高くなっている。作品が展示された壁は一か所が移動し、庭への出入り口が現われる。

この家で本格的に暮らし始めて2カ月。動物たちは、新しい環境に馴染んでいるようで、嬉しそうに走り回っている。そして大日方さんは、「想像以上に田舎暮らしが楽しい」と話す。都会で仕事をしていると、つい食事のデリバリーサービスを使ってしまうが、ここはそうしたサービスがない地域。それまであまりする機会がなかった料理を、日常的にするようになったのは大きな変化だ。時には美味しいパン屋に買い出しに行ったり、夕方は夫婦でサーフィンや散歩をしたりと、ゆったりとした時間を過ごしている。

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