2025.11.02

CARS

「これって、次期パジェロですか?」 三菱の関係者にエレバンス・コンセプトを前にJMS2025の会場で伺ってみた

世界初公開された三菱「エレバンス・コンセプト」。

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三菱自動車はジャパン・モビリティ・ショー2025(JMS2025)で「エレバンス・コンセプト」を世界初公開した。

SUVのコンセプト・モデル

JMS2025の三菱ブースにおける主役がこのエレバンス・コンセプト。日本の道路環境で考えるそこそこ大きいが、世界的に見ると中型に分類されるSUVのコンセプト・カーだ。クルマだけでなく、キャンプセットを組み込むなどいろいろな用途に使うことができるトレーラーも同時に出展されていた。

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現実味を帯びた内外装

縦に長いデイタイムライトを含む灯火類とグリルレスを組み合わせた厚みのあるフロントまわり、ブラックアウトされたフェンダーアーチ、高い車高など、SUVらしい造形を採用。ドアのウインドウをかなり下の位置まで延長するなどショーカーらしい演出も施されているが、かなり現実的な仕上がりを持つ。

観音開きのドアを開けると、インパネには左右一杯の大画面が広がる。画面にはメーターやインフォテインメントの機能表示だけでなく、シースルーボンネットと呼ばれる車両前方を映し出すことも可能だ。シートは3列6座で、2列目はセパレートタイプとなっている。インテリアもエクステリア同様、前席が回転するといったショーカー的な機能が加えられているものの、こちらも実現可能な内容になっている。


「これって、次期パジェロの雛型じゃないの?」

パワートレインはカーボンニュートラル燃料対応エンジンにモーターを組み合わせたPHEV。走行はモーターのみで行う。モーターは各輪1基の4モーター。フロントはインホイール式となる。もちろん4輪の制御には三菱お得意のS-AWCを用いている。

というように、その成り立ちはちょっと先の未来を見据えた、モーターショーには有りがちなコンセプト・カーということになるのだが、私はこのクルマを見た瞬間にひとつの疑問が頭に浮かんだ。「これって、次期パジェロの雛型じゃないの?」。


市販車に近い構成

上記で解説したとおり、エレバンス・コンセプトは、内外装においてはショーカー的な演出を含め、まだまだ市販車としては未完成な部分も多い。しかし、それら以外の部分については、とくにシートの配置や形状を見て感じたのだが、けっこう市販車に近い構成やつくりになっている。

また、現実味があると感じたのはパワートレインについても同様だ。そう思ったのはモーターの搭載位置で、単なるショーカーなら4輪ともにインホイール・モーターだと言ってもいいはずなのに、なぜかインホイール式はフロントにしか採用していないという。逆に考えると、フロントのインホイールをやめて、アウトランダーのようなエンジン+モーターのパワートレインに置き換えれば、すぐに市販化できるレイアウトになっているということだ。


三菱の関係者に伺ってみた

そこでJMS2025の会場にいた数名の三菱関係者に伺ってみた。「これって、次期パジェロの雛型なんですか?」と。

私の質問に対してする回答は皆さん同じで、「これは三菱エレバンス・コンセプトというクルマです」だった。ただ、印象的だったのは、誰一人として、「あなたは何を言っているのですか?」といぶかしがる人はいなく、皆さんが薄笑いを多少含む笑顔だったことだ。さらに、「この私の疑問について否定しますか?」と訊いてみると、多くの人は「想像するには自由ですからね」とやはり薄笑いを多少含んだ笑顔で答えてくれた。

果たして、エレバンス・コンセプトは次期パジェロの雛型なのか? 一度そう思ったら、そのようにしか見えなくなってきたが、皆さんはどうお感じでしょうか? ちなみに、国内外のスクープ・サイトを見るとおしなべて、新型パジェロは早ければ2026年中にその姿を見せると報告している。



文=新井一樹(ENGINE編集部)、写真=望月浩彦/三菱

◆ジャパン・モビリティ・ショー2025の最新情報はこちら!

(ENGINE Webオリジナル)

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