2025.11.15

CARS

令和にデートカーは必要か ホンダ・プレリュード復活記念 GR86とマツダMX-30を選ぶのはこんな人たちです

日産フェアレディZ、トヨタGR86、マツダMX-30。令和のデートカーに相応しいのはどれか?

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自分たちでストーリーを作る


西川 やっぱり今って個性が大事。ソアラじゃなくてむしろ日産レパードに乗らなきゃ、ってこと。

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村山 今だったら西川さん、イケてましたね(笑)。

西川 きっと昔より人物本位なんだと思うよ。車力ではなく自力本願になってきた。それにデートカーの意味も、カノジョがいることが前提で、捕まえるためなら別の手段がある。常にクルマでハンティングだった昔とはそこが違う。



村山 今の若者ってそもそもクルマを持っている人が多くないわけです。カーシェアも普通。それで恥ずかしいとか相手にがっかりされるなんてこともない。だからこそ、例えばスポーツカーの86がイケてるとなる。

佐藤 逆にスペシャルってことだね。世の中背の高いクルマばかりだから。

村山 86も令和のデートカーの一つでしょう、若者にとっては。



佐藤 裏を返すとミニバンやSUVのように室内空間の広いクルマが普通であるという時代に、好きな異性と狭い空間の中で一緒にいれるってことがまず貴重です。

西川 結果的に目的は昔と同じなわけだ。だったら何も、街に溢れている人気のSUVより、めったに見ないクルマの方が過ごす時間も特別になると思う。

村山 二人のために敢えて選ばないと絶対に乗らない、というクルマも令和のデートカー像の一つでしょう。

西川 自分たちでストーリーを作っていけるというか。何かちょっとユニークなモデルを二人で乗るんだと決める。それって面白そうだね。



佐藤 西川さんの考える令和のデートカーってどんな感じですか。

西川 自分のキャラを投影できて、助手席に落ち着いてもらえるようなクルマ、今回ならやっぱりZ。フェラーリやランボルギーニなんてカミさん、絶対乗ってくれへんから。

佐藤 それはまた意外です。世代的には奥さまもお好きなのかと。

西川 ムリムリ。今日の3台ならハチロクもやっぱり助手席をつい忘れて走ってしまいそうで、もう二度と乗りませんって言われそう。

村山 ボクの世代にはZはまだ早いというか、若者には値段が高い。

佐藤 価格ってやっぱり大きいよね。

村山 値段でいうと今日一番安いのはMX-30で317万円。それであの特別感というか、おしゃれな感じがあってコスパがいい。友人に二人もいるんです、MX-30オーナーが。

3連メーターは左から順に電圧計、ターボ回転計、ブースト計。

佐藤 僕も西川さんと同じZかなあ。オトナになったから(笑)。二人で遠くに行きたいんですよ。MX-30じゃ力が足りないし、86は疲れそう。

西川 そう! オトナは二人で遠出したいんだよね~。

佐藤 だから、グランドツーリング性ってすごく大事。

西川 よく知る人と心地よく過ごす。それが令和のデートカーの役目なのだとしたら、どこまででも行こうという気持ちになるクルマが良いに決まっている。

佐藤 最近、子供がいないときでも奥さんが自然と後ろに座るんですよ(笑)。ドアが2枚なら、必ず助手席に座ってくれるだろうに。

村山 そんなふうに、それぞれのカップルに固有の事情があって、それがユニークなクルマと結び付き物語ができていく。

佐藤 令和のデートカーはこだわりを持って選ばなきゃ!

西川 デートカーはこれに限る! なんて象徴的な存在はもう要らない。自分に合ったものを見つけた方がいい。だから思い出して欲しいんだよね、MX-30みたいに埋もれたクルマがまだまだあるってことを。

話す人=西川 淳(まとめも)、佐藤 玄(ENGINE編集部)、村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=望月浩彦

前篇【ホンダ・プレリュード復活記念 令和のデートカーを探せ フェアレディZは50代以上のカップル向けだと思いませんか】では還暦世代のデートカーの思い出と現代のデートカーの定義とのギャップにざわめきが!

■マツダMX-30 Natural Monotone
駆動方式 フロント横置きエンジン+電気モーター四輪駆動  
全長×全幅×全高 4395×1795×1550mm  
ホイールベース 2655mm  
車検証記載重量(前:後) 1520kg(920:600)  
トレッド(前/後) 1565/1565mm  
エンジン形式 水冷直列4気筒DOHC  
排気量 1997cc  
最高出力 156ps/6000rpm(+電気モーター6.9ps/1800rpm)  
最大トルク 199Nm/4000pm(+電気モーター49Nm/100rpm)  
トランスミッション 6段AT  
サスペンション(前) マクファーソンストラット/コイル  
サスペンション(後) トーションビーム/コイル  
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク  
タイヤ(前・後) 215/55R18  
車両本体価格(税込) 317万2400円  

■GR86 RZ
駆動方式 フロント縦置きエンジン後輪駆動  
全長×全幅×全高 4265×1775×1310mm  
ホイールベース 2575mm  
車検証記載重量(前:後) 1270kg(700:570)  
トレッド(前/後) 1520/1550mm  
エンジン形式 水平対向4気筒DOHC  
排気量 2387cc  
最高出力 235ps/7000rpm  
最大トルク 250Nm/3700rpm  
トランスミッション 6段MT  
サスペンション(前) マクファーソンストラット/コイル  
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン/コイル  
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク  
タイヤ(前・後) 215/40R18  
車両本体価格(税込) 351万8000円  

(ENGINE2025年11月号)

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