いつもはドライバーズシートが定位置の女性モータージャーナリスト、佐藤久実さん、吉田由美さん、藤島知子さんの3人が、「令和のデートカー」をテーマに語り合った大盛り上がりのデートカー話。1台目のプジョー3008に続く今回は、ミニ・クーパーSとフィアット600のパートお送りする。
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【前篇】男性に迎えに来て欲しいクルマはこれ 藤島知子さん(自動車評論家)が選んだ令和のデートカーとは
親密度が増しそうなミニ
藤島 ユミさんはミニのオーナーですけれど、どんなところが好きですか?
吉田 乗るたびにゴーカート・フィーリングってこういうことだよねって思わせてくれることかな。ひとりで乗るには最適なクルマだと思う。でも空間は確かに狭いので、乗せる人を選ぶかもしれないですね。
藤島 親密度は増しそうですけどね。
佐藤 モーターショーのミニ・ブースは、可愛い&カッコイイみたいなポップな感じになっている。クルマはそのままの世界観だよね。
藤島 インテリア・デザインは独特ですよね。
佐藤 乗り込んで走り出すまでにだいぶ時間がかかった。スターターどこだっけ? ここかあ、みたいな。
吉田 昔と比べるとコクピット感みたいなのは薄まった。昔はトグル・スイッチがずらっと並んでいたのが特徴だったけれど、いまのミニのインテリアの特徴と言えば大きな円形モニター。なかには様々なエンターテイメントが用意されていて、ゴーカート・モードを選択するとヒャッホー! という音が出たりする。そういうエンターテイメントをふたりで楽しむのもありかもしれない。
藤島 音楽もストリーミング再生でその風景に合った曲が聴けますしね。
佐藤 今回乗ったミニはクーパーSだからひとりで乗るクルマかなあと思っていたんだけど、ミニが持っているエンターテイメント性を考えると誰かと一緒も楽しいよね。助手席でも円盤型モニターを操作して、いろいろ楽しめるから運転席が特等席じゃない。そこがデートカーっぽい。
藤島 ナビも語りかければいいですからね。ゴーカート感覚もひと昔前みたいにガツンガツン来ない。クーパーSでも不快感はなかったです。
佐藤 助手席目線で言うとね、オトシン(騒音と振動)は気になるよね。
セイチェントで幸せになれるのか?
吉田 セイチェントは乗った感じがアナログだったなあ。ほのぼのとした昔のクルマ感があった。
藤島 1.2リッター3気筒ターボのマイルドハイブリッドです。419万円というのが車両本体価格。これDCTなんですよね。マイルドハイブリッドだからモーターをトランスミッションに組み込んである。変速ショックもないし、思いのほか軽快に走る感じがありました。
吉田 フィアットって存在そのものが可愛くない? さっきトモちゃんと一緒に車検証入れとかを見たんだけど、ああいうのイチイチ可愛い。それも含めてフィアット独特の世界がある。それが好きという気持ちはわかるなあ。
藤島 私、チンクエチェントを2台乗り継いだんですけど、やっぱりセイチェントになると空間的余裕があるなあと思いました。それでいて街中を走らせやすいし、カップルの距離感もちょうどいいんじゃないでしょうか?
佐藤 チンクエチェントだと近過ぎなんだよね。さっきも言ったけど。
藤島 あとハイブリッドですから、なんと言っても燃費がいい。
佐藤 そうそう。リッター23km(WLTCモード)は立派。
吉田 スタイリングはどうですか? 私は丸い感じが好きです。ほっこりします。
藤島 街でたくさんの女性に振り返られたというエンジンさんの記事を読みました。
吉田 女性や子供が特に好きそう。
佐藤 3008ほどデザイン・コンシャスじゃないけど、シートに“600”という刺繍があったのには驚いた。
藤島 あんなに明るい蛍光ブルーの刺繍は派手過ぎて浮いちゃうと思うんですけど、上手に使いこなしていますよね。イタリアのセンスは流石だと思いました。
吉田 私もここにこういうディテールを使うんだと感心した。あと、フィアットってカラフルなクルマに乗りたくならない?
藤島 リセールを考えて白や黒のクルマが多いんですけど、たしかにフィアットはカラフルな色を買いたいブランドですね。ミニのボディ・カラーの提案と全然違うのも面白いですね。フィアットは自然のものとか、ビタミン・カラーなんかがあります。
吉田 チンクエチェントも特別色をいろいろ出したよね。
藤島 そうそう。だからチンクエチェントからチンクエチェントへ乗り換える人も多かったです。色で乗り換えるという。
吉田 バービー・カラーが可愛かった。それに比べるとセイチェントはちょっと大人な感じ。
藤島 肩肘張らずに生活を楽しんでいる人が乗っている印象があります。セイチェントに乗っているカップルが結婚したら、和気あいあいの明るい家庭が築ける気がします。子供も喜んで、一緒に遊べるみたいな。
吉田 そうね。3台のなかで一番幸せな感じ。
藤島 幸せになりたい。
吉田 アハハ。私たちに足りないものがセイチェントにはある。
【前篇】男性に迎えに来て欲しいクルマはこれ 藤島知子さん(自動車評論家)が選んだ令和のデートカーとは語る人=佐藤久実+藤島知子+吉田由美 まとめ=荒井寿彦 写真=神村聖
■ミニ・クーパー S 5ドア
駆動方式 フロント横置きエンジン+前輪駆動
全長×全幅×全高 4035×1745×1470mm
ホイールベース 2565mm
車検証記載重量(前:後) 1380kg(850:530)
トレッド( 前/後) 1520/1520mm
エンジン形式 直列4気筒DOHC16V+ターボ
排気量 1998cc
最高出力 204ps/5000rpm
最大トルク 300Nm/1450-4500rpm
トランスミッション 7段DCT
サスペンション(前) マクファーソンストラット/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(前後) 215/45 R17
車両本体価格(税込) 483万円
■フィアット600ハイブリッド ラ・プリマ
駆動方式 フロント横置きエンジン+前輪駆動
全長×全幅×全高 4200×1780×1595mm
ホイールベース 2560mm
車検証記載重量(前:後) 1330kg(840:490)
トレッド( 前/後) 1535/1525mm
エンジン形式 直列3気筒DOHC12V+ターボ
排気量 1199cc
最高出力 136ps/5500rpm
最大トルク 230Nm/1750rpm
トランスミッション 6段AT
サスペンション(前) マクファーソンストラット/コイル
サスペンション(後) トーションビーム/コイル
ブレーキ(前/後) ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ(前後) 215/55 R18
車両本体価格(税込) 419万円
(ENGINE2025年11月号)