ポルシェの“ゾンダーヴンシュ”は、顧客のこだわりをカタチにする特注プログラムだ。『イコンズ・オブ・ポルシェ2025』と題してドバイで開催されたフェスティバルでは、その実例として、カスタマイズが施された「パナメーラ・ターボ」が公開された。
ポルシェの考えるスペシャルなショーファー・カーとは?
エクステリアは、2023年に上海モーターショーで披露されたのと同じ仕様。“レブロン・バイオレット・メタリック”に“ソリッド・ブラック”を用いたグラデーションを組み合わせる凝ったデュオ・トーンで、トップコートのクリアには本物の金のフレークが混ぜ込まれた。

アクセントは専用開発色の“アヴィウム・メタリック”で、“ゾンダーヴンシュ”のロゴを組み込んだピン・ストライプをはじめ、ホイールやウインドウ・フレームを彩る。

インテリアは、外装以上に見所が多い。シートのセンター・パネルやパーセル・シェルフ、書類フォルダーは、“ブラック”から“サンセット・レッド”へと移り変わる繊細な色合い。ロゴやトリム、スイッチ、スポーツ・クロノのディスプレイなどには、アクセント・カラーの“アヴィウム”を用いる。ドア・ハンドルやスピーカー・グリル、シートのパイピングなども、同色で統一された。

ダッシュボードやドア・パネルはブラック・レザーで、ドアには黒染めのチェスナット・ウッドも組み合わせる。ダブル・スティッチのスレッドは“バリック・レッド”で、シートベルトとカラーを揃えた。

シートには、ふたつの経緯度が記されており、運転席はツッフェンハウゼン、助手席はライプツィヒと、パナメーラの開発と生産の地を示している。

ポルシェでは稀有な、ショーファー・カー的要素を持つ「パナメーラ」だけに、後席ゲストのためのアメニティも充実。高級サルーンの定番アイテムであるシャンパン・クーラーに加え、加湿して葉巻の品質を保つヒュミドールも完備。センター・コンソールに配置され、ガラス・カバーを開けると、内張はシダー・ウッドで、湿度計も備え、シガー・カッターとライターも内蔵する。

ラゲッジ・スペースはフル・レザー仕上げで“アヴィウム”で縁取られたブラック・アルマイトのインサートが、荷物で傷つくのを防ぐ。開口部のシル・プロテクターは金属製で“グロス・ブラック”の塗装には、外装と同じくゴールドのフレークが散りばめられる。ブラック・レザーのキーケースには“アヴィウム”、充電ケーブル用バッグには“バリック・レッド”のスティッチを施された。

ただでさえオプションの品数が多いポルシェだが、それでも飽き足らない、もしくはひとと違う仕様でなければ我慢ならない、というなら、こうした手段もあるという提案だといえる今回のパナメーラ。

リセールを考えれば、パーソナライゼーションを突き詰めすぎるのはリスクもあるが、そもそもリセールを気にするようなユーザーの財布など、ポルシェの特注プログラムたる“ゾンダーヴンシュ”はあてにしていないだろう。
文=関 耕一郎
(ENGINE Webオリジナル)