2026.01.08

CARS

【F1】角田裕毅がレギュラー降格 不安の声が的中、来季は控え起用へ

チームメートのマックス・フェルスタッペン選手と。この僚友を脅かすような走りは、ついに見せることができなかった。Getty Images / Red Bull ContentPool

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レッドブル・レーシングに移籍した角田裕毅選手の、来季での降格が決まった。今シーズン、ファンの期待を一身に背負ってきた角田だが、その前途には、乗り越えなければならない数々の不安要素があった。

レッドブル・レーシングへの移籍が決まったのは、母国GPの直前だった。4月6日に決勝レースが行われたF1世界選手権第3戦日本GPに、角田裕毅選手はディフェンディング・チャンピオンであるマックス・フェルスタッペン選手のチームメイトとして鈴鹿サーキットにやってきた。期待と不安が入り混じった声援を受けながら。

「期待」はもちろん、表彰台獲得を視野に入れた好成績である。なにしろレッドブルは2023年に22戦中21勝を挙げ、圧倒的な強さでシーズンを制した。翌24年は苦戦したものの、フェルスタッペン選手は9勝を挙げ、4連覇を果たした。チームの実力は折り紙付き。角田選手の活躍を期待して当然だった。

アブダビGPでは14位に終わった角田裕毅選手。Getty Images / Red Bull Content Pool

ところがそう素直には期待できない事情があった。歴代のフェルスタッペン選手のチームメイトは呪いにでもかかったように成績が上がらなかった。角田選手に声がかかったのも、一向に成績が上向く気配が見られなかったからだった。角田選手なら大丈夫だろうという期待と、やっぱりダメかもしれないという不安の目にさらされた。

残念ながら、不安のほうが的中してしまった。フェルスタッペン選手は中盤苦しんだものの、最終的には年間最多勝となる8勝を挙げ、初タイトルを獲得したランド・ノリス選手(マクラーレン)に2点差まで詰め寄りランキング2位で終えた。

一方、角田選手はフェルスタッペン選手と同じチームに所属しているとは思えないほど、精彩を欠いた走りに終始した。予選最上位は第23戦カタールGPでのスプリント予選で記録した5番手。この予選で初めて、僚友を上回る成績を残した。レースでは第17戦アゼルバイジャンGPの6位が最上位だった。

ファンにとっても本人にとっても期待外れだったろう。レッドブルがフェルスタッペン選手を中心に回っているのは周知の事実。レッドブルのマシンはフェルスタッペン選手が走りやすいように設計されているし、性能向上が約束された新しいパーツは優先的にフェルスタッペン車に装着される。角田選手にすれば、サイズが合わないお古の靴を履かされて、同じように走れと言われているようなものだ。

それでも僚友を脅かすような光る走りを見せつけなければ、未来は拓けない。歴代のトップドライバーはみなそうやって道を切り拓いてきたのだ。独力では無理だから、自分の力になってくれる味方を作って層を厚くし堀を埋めていくのである。

ポテンシャルがあるのは誰もが認めるところ。26年はレギュラーシートを失うが、テスト&リザーブドライバーとしてレッドブルに残る。「まだ、終わっていない」と話す角田選手の言葉を信じようではないか。

文=世良耕太

(ENGINE2026年2・3月号)

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