ヤフー・オークションに出品されていた7万円のエグザンティアを落札し、直したり壊れたりを繰り返している波瀾万丈な長期リポートの番外篇。車検で入庫しているエグザンティアの代車、初代ランチア・イプシロンに新年度直前に乗って感じたことをご報告します。
自転車との間隔は1メートル必須、できない場合は30キロまで減速!
2026年4月1日から、自転車に関する法律が変わる。まず何よりも大きいのは16歳以上の者による自転車の青切符の導入で、違反すれば反則金の支払いや講習の受講が必要になる。原則的に車道の左側通行&併進の禁止などのほか、スマートフォンを操作しながらだったり、傘を差したりワイヤレス・イヤフォンを使っていたり、酒気帯びだったりが違反となる。動きの怪しい自転車が都内の路上に溢れているのは事実だし、これまで何度ヒヤリとさせられたかわからないから、この規制強化は、まあ理解できるのだが……

問題なのは、同時に改正された道路交通法の第18条3項で、警視庁からの案内によれば以下の様な目安が出されている。
・自動車等が自転車等の右側を通過するときは、できる限り間隔を空けましょう。少なくとも1m程度間隔を空けることが安全です。
・自転車等と1m程度の間隔を確保できない場合には、時速20km/hから30km/h程度で運転しましょう!
……これではおそらく、朝の通勤ラッシュ時など、黄線のある道路では、自転車を抜けない自動車による渋滞発生は間違いないだろう。こうなると改めて強く思うのは、法律が変わることで路上のルールが変わる今、クルマの造りも、そしてクルマ選びもそろそろ本気で“自転車と共存するための最適解”を考えるべき時が来たのではないか、ということだ。
僕には、ちょうど答えが見えている気がする
ここ2週間ほど、僕は愛車のシトロエン・エグザンティアに乗れていない。長期リポート中のこの相棒は入院中だ(ただし壊れたのではなく車検である!)。預けた工場が用意してくれた代車は、初代ランチア・イプシロン1.2 16V。1996年登場の、全長4m弱、全幅1.6mほどのちっぽけなイタリア車だ。

走行26万kmという強者だが、黄金色のボディにはまだまだ艶があり、丁寧に整備されてきたことが伺える。正規導入されていなかったランチアは日本の道路のことなどこれっぽっちも考えていなかったから、当然左ハンドルで変速機は5段のマニュアル・トランスミッションだ。

正直なところ、エグザンティアのたおやかなハイドローリック・サスペンションで路上を泳ぎ回ることに慣れた体のせいで、最初は違いに戸惑った。でも、このコンパクトで、やや固めで、けれど妙に軽快なイタリア生まれの振る舞いが、我が身に突き刺さってきた。

そして、年度末の街中というのは、ご存知の通り工事だらけだ。片側が急に塞がれる。車線が突然消える。そこに自転車が、配達員の駐車車両が、電動キックボードが混在する。毎日片道20km、自宅から都心を抜けるルートを走り続けて、僕はある確信を深めつつあった。

左ハンドルの、小さなマニュアル車こそが、この混沌を最速かつ最も安全に走り抜けるための道具である、と。
なぜか。順を追って説明しよう。