2026.04.02

CARS

「ロールス・ロイス・カリナン・ヨッティング」はなぜ4台が造られたのか?【ヒントはコンパス】

東西南北の各方位にちなんで4台が製作された「ロールス・ロイス・カリナン」!

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ロールス・ロイスが、オーダーメイドにより誕生した「カリナン・ヨッティング」を公開した。現代のヨット文化が持つ美学や精神、そして素材へのリスペクトを表現したモデルで、コンパスが指す東西南北の各方位にちなんで4台が製作された。

創業者のひとり、チャールズ・ロールズは蒸気ヨットの三等機関士だった?

エクステリアは、方位をイメージした4色を採用。“ノース”は冷たい海を思わせるライトブルー、“サウス”は温暖な海域を表現したアラビアン・ブルーIV、“イースト”は深海の静けさと神秘性に着想を得たダーク・シルク・ティール、“ウエスト”は嵐の海を覆う空を感じさせるサファイア・ガンメタルとした。



いずれも、フロント・フェンダーにコンパスのモチーフを手描きし、それぞれの方位を赤で強調。



コーチラインは2本で、フェニックス・レッドとアークティック・ホワイトで引かれている。22インチのホイールは、現代のヨットに見られる鏡面仕上げのパーツを連想させるフルポリッシュ仕上げだ。



室内は、ダッシュボードやピクニック・テーブルに、沖合に停泊したヨットへの渡し船であるテンダーボートの航跡を手描きであしらった。コート・ダジュールの深く透き通る青い海を彷彿させるメタリック・ブルーのピアノ・ミロリ・スパークルをベースに、エアブラシと細筆で描く引き波は、その方向が各車に割り振られた方位が反映されている。

アークティック・ホワイトとネイビー・ブルーのレザーで仕立てたインテリアには、ヨットのデッキに多用されるオープンポアのチーク材がセンター・コンソールやドア・パネルなどにあしらわれる。



後席中央のウォーターフォールは、チークのほかシカモアやアッシュ、ブラック・ボリバルといった多様な木材のベニヤを40枚以上使い、手作業でコンパスの象嵌細工が施されている。シートのアクセントは、航海用ロープの縄目に似せた手縫いのリギング・パターンだ。

スターライト・ヘッドライナーは、地中海の風向図にインスパイアされたパターン。静止状態の発光だけでなく、刻々と変化する風向きを表現したアニメーション表現も行う。



ヨットとロールス・ロイスは、浅からぬ関連性があるという。創業者のひとり、チャールズ・ロールズは、家族が所有する蒸気ヨットのサンタ・マリア号で三等機関士を務めた経歴がある。

車両においても、船舶デザインを再解釈したワフト・ラインをスタイリング要素のひとつとして用い「ファントム・ドロップヘッド・クーペ」や「スペクター」、コーチビルド作品の「ボート・テイル」などは、競技用ヨットに影響を受けてデザインされている。

そんな長いつながりが「カリナン・ヨッティング」には息づいている。

文=関 耕一郎 写真=ロールス・ロイス 編集=上田純一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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