2026.04.13

CARS

ピニンファリーナ作品は主催者テーマ展示だけじゃない! 誕生から50年となる希少なグラスファイバー・ボディの初期型フェラーリ308GTBの姿も!!【オートモビルカウンシル2026】

生誕50年を迎える真っ赤なV8フェラーリはグラスファイバー・ボディの貴重な初期型!

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2026年4月10日〜12日までの期間中、幕張メッセで開催されたオートモビルカウンシル2026。その会場で、漆黒のフィアット・ディーノ・スパイダーや純白のメルセデス・ベンツ230SLを従えるかのように、ブース内の中央寄りのいちばん目立つところに、イタリアン・レッドのフェラーリ308GTBが飾られていた。

誕生から半世紀を迎えた跳ね馬の希少な初期モデル


出展していたのは福岡・北九州にあるヴィンテージ・カー専門店VISCO。



今回のカウンシルは入場口右手のところで“イタリアの名門カロッツェリア「Designed by ピニンファリーナ」”と題した主催者展示を行っており、貴重なフィアット・アバルト750レコルド・エンデューロ・ピニンファリーナやフェラーリ288GTOなどが人気となっていたが、同じピニンファリーナに在籍していたレオナルド・フィオラバンティによって手がけられたシンプルながら美しい308GTBもまた、同様に来場者の目を喜ばせていた1台といえるだろう。



出展車両は1976年型のグラスファイバー・ボディを纏う初期モデル。当時まだ斬新であったこの技術の採用はフィオラバンティ自身の発案で、軽量化を目的に、車体の外板を樹脂化しているのが最大の特徴だ。イタリア語のガラス繊維強化プラスチックを意味する、ヴェトロレジーナ(Vetroresina)とも呼ばれている。



前後フェンダーのホイールアーチの縁や、車体サイドのエア・インテーク・ダクトのエッジ部などの凄まじくシャープな造形は、この時代特有の人の手によって仕上げられた、もはやかけがえのないものだ。



シングル・パイプのエグゾースト・エンドなど初期モデル特有のディテールはオリジナルのまま。タイヤは205/70VR14のミシュランXWXを装着していた。



訪れた際はリア・カウルが取材対応のためロックされておらず、整合性のある美しい本来のリア・ビューが望めなかったのは残念だが、その代わりファスナー式の本革のフード・カバーや(ファスナーは開くことがなく確認できなかったが)、レザーの純正工具バッグも備わると分かった。なおフード・カバーは後のスチール・ボディでは合皮となるそうだ。



インテリアに目を向ければ、乗員の間の各種空調のダイヤルやスイッチ、レバー類のコンディションも良好で、乗降時にどうしても圧力がかかりやすいシートのサイド・サポート部などもわずかにひび割れはあるものの、しっかりと膨らみを残したままで、即時に補修が必要になるような痛みは見えない。



車体中央に搭載される255馬力を発揮する2962ccのV8 DOHCユニットとその周囲も、ウォーター・ホースなど消耗品は交換されているようだが、当時の佇まいはほぼそのまま残されており、丁寧な整備と仕上げがされているようだった。



会場でお話を伺ったVISCOの中里賢人さんによれば、現在は車検が切れているが、同社の管理でここ5年ほど日本の路上を走っていた個体で、積算計の数字は1万km台。ただ、残念ながら整備記録の書類など、この数字を証明ができるものは残っていないそうで、このような場合同社では「走行距離 不明」と明記しているという。

現在では為替がなかなかの円安ということもあり、海外ではこのようなコンディションのいいファイバー・ボディの308GTBの相場は4000〜4500万円前後で、その後のスチール・ボディであれば2000万円前後のプライスが付けられているそうだが、この個体のプライス・ボードは3740万円となっていた。

「308は比較的金額の幅が広いクルマではあると思うんですが、このグラスファイバー・ボディは特に昨今高騰しています」



と中里さん。フェラーリだから、希少なグラスファイバーだから、と長らく保管され眠ってきたような個体ではなく、出展車のようにランニング・コンディションであることとオリジナルの度合いの高さを踏まえれば、納得できるプライスと考えるひとは多いのではないだろうか。

文と写真=上田純一郎

(ENGINE Webオリジナル)

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