2026.04.20

CARS

もし空冷最後のポルシェ911に「GT3 RS」があったとしたら? ギュンター・ワークスの手がける993が日本に正式に上陸決定!【オートモビルカウンシル2026】

空冷時代の911にGT3 RSがもしあったらこんなクルマに?

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東京都港区東麻布にあるスペシャル・ショップ、AUTO DIRECT(オートダイレクト)がオートモビルカウンシル2026で展示したのが、「ポルシェ911リマスタード・バイ・ギュンター・ワークス」だ。

400〜1000馬力超までバリエーションを展開! 現代の技術で空冷最後のポルシェ911の「GT3 RS」を造る!


今回のオートモビルカウンシル2026では“レストモッド”も1つのテーマとなっており、ランチア・デルタなどをベースとする様々なモデルが会場にやって来ていた。



そんな中、オートダイレクトはナロー・ポルシェの徹底的なレストレーションを手がけたことでもよく知られるGruppe Mとコラボレーションしブースを展開。アメリカのGunther Werks(ギュンター・ワークス)による、空冷最後の911となるいわゆる993型モデルをベースとしたモデルをディスプレイした。なんとその場所は964型のポルシェ911をベースとすることで知られる「シンガー」のほぼ真向かいである。



ギュンター・ワークスは2017年に設立。空冷ポルシェ911の最終進化系である993型をもとに、現代の先進的なエンジニアリングと職人の手によるクラフツマンシップにより、あくまでもアナログなドライビング体験を提供することを主目的としている。今後はオートダイレクトが東京の正規ディーラーとなり、日本市場でも販売がスタートすることも、会場で公表され注目を集めていた。



正式な車両名は「ポルシェ911リマスタード・バイ・ギュンター・ワークス」となる。先日はフラット・ノーズが特徴的なギュンターのラインナップ中ではもっともパフォーマンスの高い1067馬力(!)の「F-26」がベースとなる“ブラック・ステルス・ファイター・エディション”も公開された。



が、今回千葉・幕張へとやって来たのは「クーペ」という25台の限定モデル。ただし、この25台のオーダーはすでにストップしているようだ。



シルバーのボディと、ブラウンのアルカンターラ内装が組み合わせられた車体番号WP0Z7Z99ZRS312745のこの「クーペ」は、まずオリジナルの状態から配線やカーペットを含め、すべて取り外しホワイト・ボディとするところから作業がスタート。ボディへのブラストと下地処理とリペイントはもちろんのこと、既存のパーツはすべて再構築とアップグレードを実施。フロント・フェンダー、リア・クォーター・パネル、サイド・スカート、ルーフ、フード、バンパーはすべてオリジナルのカーボン製に置き換えられるほか、マグネシウムとカーボンの2ピース航続となるホイール(18インチ)、ブレンボ製の前6ピストン、後4ピストンのブレーキ・システム、油圧ノーズ・リフト・システムなどが組み込まれている。



パワーユニットはギュンター・ワークスのオーダーにより、米オレゴン州のロススポーツで開発された4リットルの自然吸気水平対向6気筒を搭載。このユニットはマーレ製ピストンや、モーテックによる制御をはじめ、徹底的に手が加えられている。最高出力は435hp/7800rpm、最大トルクは43.2kgmに達する。変速機はゲトラグ製の6段MTで、ギア比はカスタマイズ可能だ。





さらに軽量の鍛造アルミニウムとカーボンファイバーのLEDを配した丸形のヘッドライト・ユニットや、ブラウンのアルカンターラを用い、オリジナルの造形は踏襲しつつも計器類やスイッチ類を一新したインテリアの徹底した造り込みなどなど、見どころは満載で、多くの来場者が足を止めていた。









同社のラインナップはこの「クーペ」のほか、993型カブリオレをベースに「クーペ」と共通のパワーユニットを組み込んだ「スピードスター」(クーペ同様25台限定でほぼオーダーは完了に近いとか)、850馬力のツイン・ターボを搭載する「ターボ」(75台限定)といった初期の3つのシリーズと、自然吸気のまま500馬力にまで出力を向上させた“GWR”、招待制のワンオフ・モデルとなる““GWX”、そしてフラッグシップの「F-26」の計6モデルが現時点では公式サイトに紹介されている。



米ロサンゼルスでちょうどシェイクダウンを終えたF-26に同乗試乗した、欧州のスポーツカーをこれまで数多く取り扱ってきたオートダイレクト代表の角田 淳氏によれば「ギュンター・ワークスは既存のレストモッド各社に比べ、かなり独自性の高いコンセプトを掲げています。964型911をベースとするシンガーの成功を見てスタートしたというイメージもありましたが、実際は全然違うんです。同社の祖業、オリジナルのビジネスはアフター・マーケット向けのカーボン・コンポジット部品を手がけているのですが、基本はエンジニアリング企業なんです。最初は “993型の911をベースにGT3 RSを造ったらどんな感じになるだろう?”というアイデアからのスタートだったのですが、やりだしたら止まらなくなってしまったそうで……(笑)。彼らは、とくかく993型ポルシェ911を現代の技術や素材を用いて突き詰めていていったらどうなるか、というコンセプトを掲げてクルマ造りをしています」

クルマ好き、ポルシェ好きなら誰しもが想像する素敵なアイデアだ。だが、それを実現し、こうして生産、販売しているところが何よりもすごい。



「技術は最新だけど、アナログ感を残す、というのも彼らが大切にしていることの1つです。あえてリモコン・ロックなども付けていない。それくらいは付けた方がいいよ、とは伝えたんですが」



「手が触れるところの部品のタッチやフィーリングにもとてもこだわって、スイッチ類も既存の部品などは使わずすべて内製化しています。展示車両のクーペはまだ初期のモデルですが、どんどんアップデートも進んでいます。スピード感もある。そうしたことができるのは、やはり自社内でカーボン素材やアルミ素材に関しての加工製造ができるからなんです」



価格は初期よりかなり高騰しており、2026年4月現在の為替レートでは「クーペ」で1億7000万円前後。「ターボ」になると2億円以上、「F-26」は2億5000万円を超えるようだ。とはいえ本来空冷の911ではあり得ないGT3 RSの世界。そこに興味を持つひとは多いのではないだろうか。

文と写真=上田純一郎 写真=ギュンター・ワークス

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