アルピナ創業家のボーフェンジーペンが、BMWに商標を譲渡して半年余り。
「M5」をベースにシックなスタイルへ!
いよいよ自社の名を冠した量販モデルである「05GT」を発表した。

明言されてはいないが、フロント・フェンダーに充電口リッドらしきものが確認でき、燃費と電費が併記されていることから、プラグイン・ハイブリッド・モデルなのは確実。

そして、ドア・ミラーの形状は、ベース車が「M5」であることを示している。

2025年「M4カブリオレ」をベースに、99台限定のザガートとの共作を披露したボーフェンジーペンだが、今回の「05GT」は、デザイナーにフランク・ステファンソンを迎えた。「BMWミニ」の初代モデルや先代「フィアット500」、「マクラーレンMP4-12C」などを手がけたカー・デザイン界の重鎮だ。

「05GT」のフロント・エンドは、SFチックに過ぎる「M5」より落ち着きある造型。レーザー加工のステンレス・グリルや大型インテーク、立体的なブランド・ロゴは、「ボーフェンジーペン・ザガート」でも示された特徴的な要素だ。

フロント・バンパーからサイド・スカート、リア・バンパーへ連続するラップアラウンド・デザインにも同じことが言える。ドアの下に走る黒いラインには、ステファンソンの名が記された。

ホイールは、アルピナのマルチ・スポークを連想させる、伸びやかなツイン・スポークを10本並べた鍛造21インチ。タイヤは、ボーフェンジーペン専用のピレリだ。

リアへ回ると、ディフューザーの両端に楕円のテール・パイプが4本顔を出す。アクラポヴィッチ製のエグゾーストシステムは、チタン素材により一般的なアイテムに対し7.8kgの軽量化を果たしている。
パワートレインの詳細は未公表だが、「M5」ベースであれば4.4リットルV8プラグイン・ハイブリッド。最高出力800ps/最大トルク1100Nmというスペックは「M5」を73ps/100Nm上回る。2555kgの重量級でありながら、0-100km/h加速は3.6秒未満、最高速度は305km/hに達するという。
サスペンションは、アイバッハ製スプリングを採用し、サポート・ベアリングなど細部まで改良を実施。専用タワーバーも装着して、精確でスポーティなハンドリングと、後席も含めた高いレベルの快適性との両立を図った。

インテリアは、ダッシュボードの3色ストライプや、iドライブ・コントローラーのMエンブレムに「M5」の名残を見出せる。しかし、アルミ削り出しのパドルを備え、ラヴァリナ・レザーで覆われたステアリング・ホイールは、ブルーになったMボタンとも相まって、よりシックなムードに。センター・コンソールなどのトリムにも、上質な本革が奢られている。

カスタマイズ・メニューも豊富に用意される。シート背後のトリム・パネルは、塗装色のオーダーが無償。ラヴァリナ・レザーを用いたフルレザー・インテリアは、アルピナ時代と同様に設定され、表皮はマルチ・トーンにもできる。ヘッドレストのエンブレムも、刺繍でも型押しでも可能だ。

また、荷室を全面アルカンターラ張りにすることも、ヘッドレストに好みの型押しをすることも、自分だけの刺繍を入れることも、ワークショップではさまざまなリクエストに答える準備ができているという。

ブッフローエの本流を継承する「ボーフェンジーペン05GT」は、2026年第4四半期のデリバリー開始を予定しており、価格は19万8900ユーロ(約3696万円)から。

BMWグループのハイブランドとして再始動するアルピナの方向性と価格帯も気になるが、「05GT」の出来栄えを見る限り、ボーフェンジーペンがBMWの古参ファンの心を掴むのは間違いなさそうだ。
文=関 耕一郎 写真=ボーフェンジーペン 編集=上田純一郎
(ENGINE Webオリジナル)