腰を重心にして曲がる!
箱根から伊豆に向かうワインディングをペース良く走りぬけてよく分かったのは、A5 e-hybridがもっとも輝くのは山道だということ。実は、前後重量比はA5やS5よりもバランスの良い1080:1070kgで、前席はホイールベースの中央よりやや後ろ寄りにあるから、ドライバーの腰を重心にして曲がるような感覚さえ伝わってくるのだ。

高回転型のエンジンは純内燃機関版のA5クワトロより単体でも41ps・ 40Nm増強され、低回転域は電気モーターが補うから、いつ、どこからでも望むだけのトルクを引き出すことができる。インフォメーションが豊かなステアリング・フィールはタイヤ・グリップとの相談も濃密にできるタイプで、最大88kWの強力な回生能力を持つブレーキも容量に余裕があり、簡単にはへこたれない。これほどスポーティな走りに応えてくれるというのは、期待をはるかに上回る嬉しい大誤算だった。

しかし、スポーツ性能を求めるなら86万円安いS5も魅力的だ。EV走行がメインなら、足の長いA6 e-tronの方が、ずっと上質な走りも手に入る。燃費はTDIが圧勝するし、従来の内燃機関版と比べても大差ない。ではA5 e-hybridは日本でどんな生活にマッチするのか。私には、まだその答えが見つけられない。
アウディA5アバントTFSI e-hybrid クワトロ Sライン
駆動方式 フロント縦置きエンジン+電気モーター4輪駆動
全長×全幅×全高 4835×1860×1450mm
ホイールベース 2895mm
車両重量 2150kg(前1080kg:後1070kg)
トレッド(前/後) 1615/1610mm
動力形式 直列4気筒DOHCターボ+交流電気モーター(PHEV)
エンジン排気量+バッテリー容量 1984cc+25.9kWhリチウムイオン電池
システム最高出力・システム最大トルク 367ps・500Nm
最高出力(エンジン+モーター) 204ps/3800-4200rpm+143ps/2865rpm
最大トルク(エンジン+モーター) 400Nm/1750-3250rpm+350Nm/50-2865rpm
トランスミッション 7速DCT
サスペンション(前) マルチリンク/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ(前後) ベンチレーテッド・ディスク
タイヤサイズ(前後) 245/40R19
試乗車価格(税込) (車両本体)1176万円(オプション)ラグジュアリーパッケージS 77万円
文=村山雄哉(ENGINE編集部) 写真=神村 聖
(ENGINE2026年9・10月号)