2019.03.21

LIFESTYLE

お花見クラシックの上野「東京・春・音楽祭」が15周年!

世界各地から第一線で活躍するアーティストが集結し、日本の実力派も参加する「東京・春・音楽祭」。ほかの音楽祭では味わえない魅力をお伝えする。3月15日~4月14日まで開催です。

今年で15周年!

世界各地にクラシックの音楽祭は多数存在するが、春爛漫の上野公園を散策し、桜を愛でながら祝祭気分を味わい、音楽を楽しむことができるという音楽祭は「東京・春・音楽祭」だけである。2005年にスタートした「東京・春・音楽祭」は今年15周年を迎え、いまでは「東京春祭」というニックネームで呼ばれ、東京の春の風物詩として定着している。期間は3月中旬から4月中旬までの約1カ月間、まさに音楽と桜による饗宴の場である。


意欲的な選曲が味わえる

唯一無二の特徴を備えた東京春祭は、上野駅前のクラシックの殿堂、東京文化会館大ホールをメイン会場に、音響のよさで知られる東京文化会館小ホール、さらに上野公園界隈の音楽大学のホール、博物館、美術館なども会場となり、音楽を聴く喜びとともに絵画展や特別展を堪能しながら知的欲求を満たすこともできる。


■イゴール・レヴィット ~THE VARIATIONS

1987年ロシア生まれ。8歳でドイツに移住した彼は、演奏のたびにセンセーションを巻き起こしている逸材。今回は得意とするJ.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲」で登場。その演奏は作曲家の魂に肉薄していく厳格さと確固たる信念に貫かれたものである。もうひとつのプログラムは、難度の高いベートーヴェンの「ディアベリ変奏曲」とフレデリック・ジェフスキ(アメリカ1938~)の代表作と称される「《不屈の民》変奏曲」。重量級の選曲だ。4月11日(木)、13日(土)東京文化会館 小ホール。

■東京春祭ワーグナー・シリーズ vol.10《さまよえるオランダ人》

毎年1作ずつ上演される人気シリーズで、舞台装置や演技を必要としない演奏会形式で行われる。今年は初期の傑作《さまよえるオランダ人》が披露される。歌手は世界のオペラハウスで活躍するブリン・ターフェル(オランダ人)、アイン・アンガー(ダーラント)をはじめとする充実した布陣。新進気鋭のダーヴィト・アフカムがタクトを振る。《さまよえるオランダ人》は純愛を描き、男声と合唱が際立つオペラ。ワーグナーが自らの個性 を存分に発揮した作。4月5日(金)、7日(日)東京文化会館 大ホール。

■ベルリン・フィルのメンバーによる室内楽~ピアノ四重奏の夕べ――マーラー、シューマン、ブラームス

©Felix Rettberg


©Nikolaj Lund


©Jim Rakete


ベルリン・フィルの顔としてその美音で聴き手を魅了する第1コンサートマスター、ノア・ベンディックス=バルグリー、室内楽の名手として引っ張りだこの人気者、第1ソロ・ヴィオラ奏者のアミハイ・グロス、オーケストラのデジタル・コンサートホールも担当するソロ・チェロ奏者のオラフ・マニンガーにピアノのオハッド・ベン=アリが加わり、いま聴ける最高の組み合わせによる室内楽。シューマン、ブラームスは彼らの自家薬籠中の作品である。3月27日(水)東京文化会館 小ホール。

音楽祭とは、朝から晩まで複数の会場でさまざまな演奏が行われるフェスティヴァルを意味する。そのアーティストが得意とする作品はもちろんのこと、あまり演奏される機会に恵まれないものの、ぜひ演奏したいと彼らが願う作品も登場。ふだん共演の機会がないアーティストたちが、この絶好の機会を逃すことなく共演を楽しんだり、実験的な試みを行ったりする場合も出てくる。


東京春祭のすべてのプログラムは長年に渡って熟考を重ね、練りに練られたもので、ひとつのコンサートがそのアーティストの真価を発揮するものとなっている。それはオペラでも室内楽でも器楽のソロでも歌手のリサイタルでも変わらぬ内容で、同音楽祭が長く続いてきた大きな理由といえる。今年の東京春祭では200を超す公演が組まれている。上野の森を散策しながら、心身の休息を図るのはいかが。

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文=伊熊よし子(音楽ジャーナリスト)

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