590psのハイパワー3.8l V8、それがマセラティの自己主張

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〔ラグジュアリー編#6〕AMaserati Levante TROFEO／マセラティ・レヴァンテ・トロフェオ
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じつに豪快なGT　高平高輝

深紅のレザーに包まれた室内はマセラティらしく華やかでエレガントだが、走ればびっくりするほど野性的、外で聞く全開加速中の排気音に至ってはもう野蛮と言っていいほど刺激的だ。マセラティのSUV「レヴァンテ・シリーズ」に最近追加された最強力版がトロフェオである。全長5mを超える巨大なSUVで21インチの巨大なタイヤを履いているものの、特にロード・クリアランスが大きいようでもなく、屋根が高いクワトロポルテといった風情。実際に乗ってみても腰高な感覚はなく、ただ巨大でパワフルなマセラティのステアリングを握っている感じである。

590psと74.4kgmを生み出す3.8ℓV8ツインターボのパワーはさすがに凄まじく、特に4000rpm辺りからバシャーッと獰猛に加速する猛々しさは、最近の高性能SUVの中でも随一である。この巨体にして0-100km/h加速は3.9秒という。その分、乗り心地もはっきり硬派に締め上げられており、洗練されているというより、野性味を隠そうとしていない。どこか、かつての3200GTを彷彿とさせる豪快なGTである。

エレガントでクール！　飯田裕子

人でもモノでもクルマでも同類と思える存在に居心地のよさを抱き、一方で自分に足りないものを遠くから羨んだり、ときに妬むこともある。ついついクルマも擬人化したくなる私はマセラティが放つフェロモン系の美男もしくは美女ぶりにずっと憧れている。レヴァンテというSUVはマセラティにとって新しいカテゴリーへの挑戦だったと思うけれど、その世界観はマセラティそのもの。

お馴染みのグリルとエンブレム、ドア・トリムのレザーの赤のセンス、毛足の長いアルカンターラ張りの天井などがエレガントだ。見た目だけでそのムードを醸し出しているわけではなく、このSUVを官能的とまで思わせるのに欠かせないのが動的な性能。なかでもトロフェオはラインナップ中最もスポーティなモデル。V83.8ℓエンジン（590ps）はときに猛々しくときにクールにドライバーと交信し、ときに「4輪で路面を捉え、コーナーを駆け抜けよと」訴えかけてくる。

スロットル全開のときの官能的なサウンドがとても印象的でした

〔読者コメント〕
●加速が素晴らしい。室内も広くて、外見ではわからないパワーを秘めているクルマですね。（K.T.さん）
●大型高級スポーツ・セダンから乗り換えたら、戻れなくなるのはよくわかる。スポーティ。（高橋晃一さん）
●凄まじい加速にビックリ！（岩岡秀明さん）●後部座席は体を包み込むようで良かったです。（N.H.さん）
●モーレツな加速。脳がふるえるサウンド。圧巻のSUVです。ディーゼルも経験してみたい。（宇佐美雅也さん）
●この日一番の加速感。ラグジュアリーな内装とのギャップが好きな人にはたまらないだろう。（徳丸順一さん）
●音が自分の好み。最高!!（湯浅公太さん）
●重さを忘れさせるような強烈な加速。ターボが効いたところでもう一段加速する感覚は印象に残った。（丹波克久さん）
●スロットル全開のときの官能的なサウンドがとても印象的でした。（中向恵一さん）

マセラティ・レヴァンテ・トロフェオの解説＆走行動画はこちら

6気筒のガソリンとディーゼルでスタートしたマセラティのSUVレヴァンテに昨年加わったのが8気筒ガソリン・モデル。仕様はGTS（550ps/1800万円）とこのトロフェオの2種類が用意される。独自設計のエンジンの製造はフェラーリが担当する。フロントに縦置きされる3.8ℓV8ツインターボ・ユニットは最高出力590ps/6250rpm、最大トルク74.4kgm/2500-5000rpmを発揮する。8段ATを介して4輪を駆動する。全長×全幅×全高=5020×1981×1698㎜。ホイールベース＝3004㎜。車両重量＝2340㎏。車両価格＝1990万円。

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写真＝柏田芳敬（メイン）／神村聖（サブ）

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