2020.07.16

CARS

新型マカンで分かるポルシェの実力! 乗るとポルシェ濃度が極めて高い

セットアップが実に上手い

村上 洋服でもそうだけど、いちばん大事なのってサイズ感じゃないかな。身の丈にあったサイズ。SUVのなかでマカンがそういうものだということだと思う。


大井 大柄な大人4人が何の苦もなく快適に過ごせる居住空間を持っていて、荷室も十分に大きい。これで何の不満があるのって思っちゃう。ロング・ツーリングも楽々こなせる。


齋藤 そもそも911って、子供が2人いる家族が荷物も積んで高速道路を使ったロング・ツーリングができて、独りで走る時にはピュア・スポーツカーそのものの運動性能を発揮できるクルマを目指して生み出されたものなわけでしょ。それを思い出すとね、マカンのなかにその全てがあることに気付く。快適で、運動性能も高くて、高速巡航性能ももちろん高い。加えて、そこそこの悪路まで走れちゃう。


村上 ポルシェという会社、もともとこういう思想を持っていた。SUVが世の中で流行っているから作ってみました、という風に捉えがちだけれど、SUVってポルシェと相性のいい器なんだと思う。


大井 試乗する前は4発の2リットルターボで大丈夫なのかなって思ってたんだけど、全く問題ない。十二分に速いし、音もいい。スポーツする気分を満たしてくれるものがしっかりある。強いて言えば、ブレーキのタッチが柔らかいかなぁ、と。もうちょっとガチッとした感触が欲しいかな。


齋藤 優れたシャシーと前後バランスのおかげで、とてもSUVとは思えないようなヴィークル・ダイナミクスを実現しているクルマで、しかもポルシェの名が付いたものとして考えれば、もうちょっとペダル・タッチをなんとかしてくれよという気持ちが生まれるのは分かりますけど。右ハンドルゆえの配管の取り回しの違いも理由にあるのかもしれない。


塩澤 シャシー・ダイナミクスは凄いよねぇ。ポルシェここにありっていう感じがまざまざとある。


大井 フロント・アクスルより前に大きくオーバーハングしたエンジン搭載位置とか見ると、そんな凄いものとは予想できないのにね。


齋藤 前後重量配分は53対47ぐらい。


塩澤 基本レイアウトはアウディそのまんまという感じ。


村上 セット・アップの上手さ。そこにポルシェの大きな価値がある。



 
■ポルシェ・マカン

駆動方式:フロント縦置きエンジン4輪駆動
全長x全幅x全高:4696×1923×1624㎜
ホイールベース:2807㎜
トレッド 前/後:1655/1651㎜
車両重量:1840㎏(前1000㎏:後840㎏)
エンジン形式:直列4気筒DOHC 16V直噴ターボ過給
総排気量:1984cc
ボア×ストローク:82.5×92.8㎜
最高出力:252ps/5000-6750rpm
最大トルク:37.7kgm/1600-4500rpm
変速機:デュアルクラッチ式7段自動MT
サスペンション:前/後 ダブルウィッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ:前後 通気冷却式ディスク
タイヤ:前/後 235/60R18W/255/55R18W
車両価格(税込):699万円〔テスト車:996万6000円〕


話す人=村上 政+塩澤則浩+齋藤浩之(以上ENGINE編集部)+大井貴之  写真=神村 聖


(ENGINE2019年9月号)

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