2019.12.05

CARS

プロトタイプのトヨタ・ヤリスにサーキット試乗。欧州勢にも 勝負を挑める仕上がり!?

新エンジン、新プラットフォームの採用など見るべきところの多いヤリス。しかもそれらの効果は、しっかりと走りにも表れていた。

全面変更を機に、3代に亘って慣れ親しんだヴィッツから欧州名と同じヤリスへと改名されたトヨタの新しいスモール・ハッチバック。発売は2020年2月だが、それに先立ち、今回プロトタイプながらサーキットで試乗することが叶った。


東京モーターショーで一般のお客さんへのお披露目も済ませているはずなのに、なぜか前後バンパーを黒ベースの奇妙な模様で擬装するという謎の演出が施されていたヤリス。新開発の1.5ℓ直3ガソリン、さらにそれをベースにシステム全体を刷新したハイブリッドに乗ることができたが、全モデルを通して印象に残ったのはスポーティなハンドリングだ。


新しいプラットフォーム、"GA-B"の効果絶大といったところだろうか。いずれもステアリングを切ると気持ちがいいほど鼻先がスッと内側に入っていく。しかも、FFモデルはステアリングを切ったまま加速しても前輪はだらしなく外へ逃げることはなく、クルマは内へ内へと入っていく。その挙動はまるで後輪操舵が付いているのかと思ってしまうほど。ロールもむやみに押さえつけてはいないものの、速度はしっかりとコントロールされているので不安はなく、クルマの動きも掴みやすい。中でもバランスがよかったのは一番ホイール径が小さい14インチを履いた1.5ℓのFF。旋回能力の高さでは大径ホイール・モデルに及ばないものの、レーンチェンジのようなステアリングを切り返すような場面で最も自然な動きをしていた。


水平基調のインパネ。メーターは写真のような液晶タイプのほかに指針式も設定される。素材だけでなく造形の上手さもあって安っぽい印象はない。後席は広い方ではないが、大人が座っても窮屈ではない。




パワートレインはガソリン、ハイブリッドともレベルが高い。速さではハイブリッドが勝るものの、ガソリンでも見劣りはなし。どちらもいい仕事をする。ガソリンに採用されている発進用の固定ギアを組み合わせた新しいCVTは、CVT特有の間延びした加速感が薄く、なかなかの出来映え。MTも動きに節度があり、操作感がかなりいい。バランサー・シャフトの採用によりガソリンでも振動はしっかり抑制されているものの、音はハイブリッドよりも大きめ。快適性を重視するならハイブリッドがオススメだ。


プロトタイプながら素性の良さが垣間見れたヤリス。この高い完成度があれば、欧州勢といい戦いをみせるかもしれない。




文=新井一樹(ENGINE編集部) 写真=郡 大二郎

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