2020.07.19

CARS

アルピーヌA110リネージ長期リポート#2  ようやく1000kmを超えて本格的に走行開始 飛ばしても、飛ばさなくても楽しい!

A110Sの試乗会が行なわれた筑波サーキットにて。ブルーの個体がA110Sだ。ホイール、ルーフとエンブレムの色を除くと外観上の違いは少ない。

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導入から1カ月あまりで1000kmを突破。スポーツ・モードも使い始めたが……。


オドメーターが1000kmを超えたのは、A110Sの試乗会に参加するために筑波サーキットに向かっている時だった。これで最初の慣らしは終了ということで、さっそくスポーツ・モードも使い始めた。


アルピーヌのアイドリング回転数は750rpmだが、スポーツ・モードにすると、それが1000 rpm まで跳ね上がる。それに伴って、止まっていても明確に音が大きくなり、同時にアイドリング・ストップ・システムもオフになる。静かな場所に停車している時はあまり使わない方がいいかも知れないと思ったのは、街中で信号待ちしている時にふとスポーツに入れてみたら、まわりにいた人が突然こちらを振り向いたからだ。





それに、スポーツ・モードのメーター表示はあまり視認性が良いとは言えないように私には思える。むろん、どのモードもすべてが液晶表示されるのだが、ノーマルでは驚くほど伝統的なアナログ・メーターを模したデザインになっていて、私のような者にはこれが一番馴染みがあって見易いのだ。逆に一番違和感があるのは、まだ走り自体は試していないが、ボタンを長押しすると現れるトラック・モードのメーターで、回転数が大きく中央に表示されるのはいいとして、その周囲がなにを伝達しようとしてこういうデザインになっているのか、私にはよく理解できない。実際に使ってみると、いいことがあるのだろうか。サーキット・デビューは4月23日のエンジン・ドライビング・レッスンを予定しているので、また報告することにしよう。


いや、それどころか、慣らしを終えて本格的な走行を開始したと言っても、スポーツ・モードだって試しに何度か入れてみただけで、まだ峠道を楽しむようなドライビングもしていないのだ。高速道路や街中では、スポーツ・モードにすると音が大きくなったり、メーターが見にくくなったりして煩わしく感じ、すぐにノーマルに戻してしまった。スポーツにしたところで、足の硬さは一発決めで変わらないから、乗り心地が悪くならないのは美点だと思う。しかし、逆に言えば変わるのはエンジンやギアのマッピングやステアリングの重さだから、高速道路などで積極的に使う必要があるとも思えないのだ。なにしろこのクルマは、飛ばしても飛ばさなくても、とにかく走っているだけで楽しいのだから。


というわけで、あまり焦らず、アルピーヌの走りをじっくりと時間をかけて試していきたいと思っている。


文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬


■87号車/アルピーヌA110リネージ
ALPINE A110 LINEAGE
新車価格:844万4000円
導入時期:2020年1月
走行距離:1160km


(ENGINE2020年5月号)

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