2020.08.18

LIFESTYLE

身体の内側から元気に! 美食の宿「星のや東京」で楽しむ「Nipponキュイジーヌ 〜発酵〜」

「日本でしか食べられない料理を一品でも多く作りたい」という浜田料理長の情熱が伝わる看板料理、「五つの意思」。写真は左から、鯵のルーロー、浅利のガスパチョ、サザエと苦瓜のコロッケ、蛸と帆立のメルゲーズ、あみ海老のずんだ餅。

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東京・大手町の「星のや東京」は、フランス料理出身の凄腕シェフが腕を振るう、モダンな日本旅館。発酵食材をふんだんに取り入れた「Nippon キュイジーヌ 〜発酵〜」は、味わうことが旅の目的になるほど独創的だ。


日本旅館の文化を継承しつつ、ホテルに負けない機能性や利便性を加えた「星のや東京」。その料理は、宿としての在り方と同様に、きわめて独創的だ。料理長の浜田統之氏は、フランス料理の世界大会で何度も好成績をおさめた凄腕。「星のや東京」開業時から評判の料理は「Nipponキュイジーヌ」と呼ばれるもので、その名前の通り、食を通して日本の深い魅力を発信している。


そんな「Nipponキュイジーヌ」が、この夏、日本の発酵食材をふんだんに用いた「Nipponキュイジーヌ 〜発酵〜」に進化した。たとえば看板料理の前菜「石(五つの意思)」は、五味(酸・塩・苦・辛・甘)をテーマにした5品をコース仕立てで提供するスタイルこそ以前と変わらないが、それぞれの味付けに発酵食材を取り入れているのが新しい点。しかも、発酵食材は日本の伝統的なものばかりだ。“酸”をテーマにした「鯵のルーロー」に使われているのは「べったら漬け」、“鹹(塩) ”をテーマにした「浅利のガスパチョ」に使われているのは「塩麹」といった具合である。そうした発酵食材の味は、言われなければ気づかないほどのさりげなさ。ただし、全ての皿に様々な発酵食材を使ったコースをデザートまで食べ終わると、発酵特有の深い旨みを体が感知し、そこはかとなく“日本”を感じる。


宿泊者専用のダイニングは個室が中心。コロナ対策も万全に行き届いている。

こうした発酵食材を浜田料理長がコース全品に取り入れたのは、「身体の内側から元気になっていただきたい」という想いから。ヒトの免疫細胞は約 6 割が腸に存在しているため、善玉菌を豊富に含む発酵食品を摂って腸内環境を整えると、免疫力アップの効果を期待できるのだとか。また、発酵によって栄養価や旨味が増した食品は、合わせる食材の新たな魅力を引き出す側面もあるとのこと。そのため、料理長は発酵食品と組み合わせるのに適した食材を集めるべく、改めて各地の生産者を訪ねて回ったという。


新しいコースには、今までは敢えて提供されていなかった肉も登場(これまでのコースは魚と野菜で構成されていた)。肉料理にももちろん発酵食材が使用されており、例えば「鴨のポトフ」のコンソメスープは、徳島県の「ねさし味噌」が隠し味となっている。深いコクのあるスープと鴨肉の旨味が相まった一皿は、日本人の感性に寄り添うような、穏やかな味わいが魅力だ。


「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」のメインの一例。じっくりローストした柔らかな鴨肉と、鴨出汁のコンソメスープを合わせた「鴨のポトフ」。スープには徳島県の伝統的な豆味噌の一種「ねさし味噌」が使われている。

「星のや東京」では、季節感あふれるしつらえや催しも好評。8月末までは、夏祭りの気分を楽しめる「東京・夏夜の宴」が開催されている。“三密”の心配のない日本旅館で夏の風情とNipponキュイジーヌを味わえば、心の底からリフレッシュできることうけあいだ。


発酵食品であるヨーグルトで作ったアイスクリームを使用したデザート。爽やかなヨーグルトアイスの酸味と、コクのあるミルクジャムの風味、桃のコンポートの上品な甘さのハーモニーが楽しめる。
料理長の浜田統之氏。2004年ボキューズ・ドール国際料理コンクールの日本大会にて最年少優勝、2013年には同コンクールのフランス大会にて、魚料理の世界一位と評され、銅メダルを受賞。
客室は1フロアに6室のみ。写真は障子越しに差す光が心地よい開放的な「菊」のお部屋。「星のや東京」へ車で訪れる場合は、隣のビル「フィナンシャルシティ グランキューブ」から地下の車寄せへ。


星のや東京 東京都千代田区大手町1-9-1 ℡.0570-073-066(星のや総合予約 11:00〜20:00 ※火曜日を除く)チェックイン15:00〜、チェックアウト〜12:00 1泊1室8万4000円〜(税サ別、食事別) ディナー・コース1万4000円(税サ別)。 公式サイトhttps://hoshinoya.com/tokyo/ にて前日までに要予約(宿泊客のみ予約可)


文=小松めぐみ(フード・ライター)


(ENGINEWEB オリジナル)


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