CHOPARD(ショパール)/アルパイン イーグル XL クロノ ショパールが「アルパイン イーグル」のために特別に開発した新素材ルーセント スティール A223のコンビモデルは、ビスを配したベゼルとリュウズ、そしてケース一体型ブレスレットの中央列に18Kエシカルローズゴールドを使用し、スタイリッシュなデザインに華やぎを添える。自動巻きクロノグラフ。 COSC認定クロノメーター。60時間パワーリザーブ。ケース直径44㎜、100m防水。337万7000円。
3つの特許技術が盛り込まれたショパール完全自社開発製造の自動巻きフライバッククロノグラフ・ムーブメントCHOPARD 03.05-Cは、機能や操作性、精度、品質が群を抜く傑作だ。ショパールの新たなアイコンを担うスポーティなラグジュアリーウォッチとして2019年にデビューした「アルパイン イーグル」。この時計にはショパールを経営するショイフレ家の3世代が関わり、そのストーリー自体が実に感動的だ。
それは1980年に誕生した「サンモリッツ」に始まる。現在の共同社長カール-フリードリッヒ・ショイフレが20代はじめの頃に、父で現会長のカール・ショイフレに、ゴールドと同じようにスティールを使ったスポーティな時計を作りたいと提案して生まれたのが「サンモリッツ」だ。
それから時は流れ、今から6年ほど前に、こんどはカール-フリードリッヒの息子カール-フリッツが「サンモリッツ」の現代的なリデザインを父に願い出た。ところが提案は却下され、カール-フリッツは祖父に相談。かつて自分の父が祖父に「サンモリッツ」の構想を持ちかけたように、孫と祖父が父を説得して開発されたのが「アルパイン イーグル」なのだ。
まさに歴史は繰り返す。若い世代の感覚と時計に精通した父や祖父の専門知識がひとつになり、3世代の男たちの熱い思いがこの時計に実を結んだ。
時計のゴールド素材も自社で鋳造。倫理性や高級品産業の持続可能性にコミットする18Kエシカルゴールドを使用する。
CHOPARD(ショパール)/アルパイン イーグル ラージ 直径41㎜のラージモデルは、ベゼルからケース、ブレスレットに至るすべてが18Kエシカルローズゴールドで作られ、ラグジュアリー感たっぷり。ゴールドの素材の加工と仕上げに精通したショパールの本領発揮だ。イーグルの虹彩から想を得たダイアルはアルプス最大の氷河にオマージュを捧げたアレッチブルー。自動巻き。COSC認定クロノメーター、60 時間パワーリザーブ。100 m防水。551万1000円。
ケースバックから見えるのは、高性能や高品質を常に追求する完全自社開発製造の自動巻きムーブメントCHOPARD 01.01-C。時を刻む精緻な動きを楽しめる。自社ムーブメントや独自素材は比類なくハイクオリティスイスの数ある高級時計ブランドの中でも、独立を保ち家族経営を貫きながら、ムーブメントの開発製造はもとより、使用する素材生産なども自社で手がけるショパールは、今や極めて希少な存在である。だからこそ、自分が作りたい時計をデザインし、自社の生産設備と職人技を作ることができるのだ。これほど贅沢な時計作りも他にないだろう。
心惹かれるのは、感動的なストーリーにとどまらない。ムーブメントから自社一貫生産するマニュファクチュールとして名を馳せるショパールのムーブメントの品質や性能も絶品だ。ここに取り上げた3針モデルとクロノグラフは、完全自社開発製造の自動巻きムーブメントを搭載する。
いずれもスイス公式クロノメーター検定局(COSC)認定の高精度で60 時間という余裕のパワーリザーブが備わる。この高精度や長時間駆動は、1996年のL.U.Cムーブメント以来、ショパールが設計の特色として追求してきたものだ。
スティールケースのモデルも充実のラインナップ
CHOPARD(ショパール)/アルパイン イーグル ラージ よりスポーティな印象をもたらす爽やかなアレッチブルーダイアルモデル。自動巻き。COSC認定クロノメーター、60時間パワーリザーブ。ショパール ルーセント スティール A223、ケース直径41㎜、100防水。161万7000円
CHOPARD(ショパール)/アルパイン イーグル ラージ シックな印象をもたらすベルニナグレーのダイアルはスーツやビジネスシーンにもマッチする。自動巻き。COSC認定クロノメーター、60時間パワーリザーブ。ショパール ルーセント スティール A223、ケース直径41㎜、100防水。161万7000円
CHOPARD(ショパール)/アルパイン イーグル XL クロノ
ピッチブラックダイアルをまとったクロノグラフは、コレクションの中で最も精悍な印象だ。自動巻き。COSC認定クロノメーター、60時間パワーリザーブ。ショパール ルーセント スティール A223、ケース直径44㎜、100防水。242万円
さらにクロノグラフには高度なフライバック機能が備わり、正確な作動と操作性、エネルギーロスの改善、クロノグラフ機能を作動させた際の時計の速度安定などに独自の技術が凝らされ、3件の特許も取得する。この種の時計では比肩すべきものがほぼ見当たらない優れものである。
また、4方位にスクリューをあしらった印象的なベゼルや、ケース一体型のブレスレットなどに用いられた独自素材にも注目したい。18金素材は「エシカルゴールド」と呼ばれる倫理性に配慮したもの。スティールは自社開発の革新的な新合金「ルーセント スティール A223」だ。これらの素材に込められているのは、サステナビリティへの高い意識。これにもまた胸キュンだ。
問い合わせ=ショパール ジャパン プレス Tel.03-5524-8922
https://www.chopard.jp
文=菅原 茂 写真=近藤正一
(ENGINE 2021年8月号)