2021.07.26

CARS

新型BMWアルピナB5試乗記! 新しいアルピナの時代が始まろうとしている!!

昨年6月にフェイスリフト版がドイツで発表され、今年2月に日本でも発売された新型B5。その試乗車に軽井沢で乗る機会を得た。

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ベース・モデルがM550のMスポーツに

今回のフェイスリフトで変更されたことのひとつは、ベースとなるモデルが、BMWのM550ラグジュアリーから同じM550のMスポーツになったことだという。これは新型B5の乗り味に、意外に重大な変化をもたらしているのかも知れない。そう感じさせられたのは、試乗会の拠点となった軽井沢浅間プリンス・ホテルを出て、軽井沢インターに向かう峠道のバイパスを走り始めてすぐのことだった。この道は整備が行き届いておらず、幹線道路のくせに路面がすこぶる荒れている。これまでのアルピナだったら、その路面の荒れを、まるではるか遠くで入力があったかのようにトーントーンと顔色ひとつ変えずにいなしていたはずのところを、この新型B5では驚くほどダイレクトに外乱として伝えてきたからだ。正直なところ、かなり足回りが硬くなった印象だ。それに伴って、ハンドリングもよりシャープになっているようで、ステアリングを切り始めた時のクルマの動きが、これまでのアルピナが持っていた抑制の効いた大人のスポーティさから、よりメリハリの強いものへと変化しているのに気づいた。



4.4リッターV8ビ・ターボ・エンジンは、最大トルクこそ先代と同じ800Nmながら、最高出力は+13psの621psへと増強されており、気持ちの良い吹け上がりが印象的。

高速道路に入り、時速100kmくらいまで速度を上げても、やはり足の硬さが気になる。どうやら、もっと高い速度域に入った時に、すべてのピントがピタッと合うようにチューニングされているようで、そこから試しにアクセレレーターを踏み込んでいってみると、クルマの状態がみるみるうちに変化していくのに呆気にとられた。V8ツインターボ・エンジンがクォーンという快音を発しながら、まるで自然吸気直6のようなスムーズさで吹け上がり、それに呼応するかのようにボディがピタッと路面に張りついたフラットな姿勢となって、乗り心地までどんどん快適になっていくのである。

なるほど、これは完全にアウトバーンを想定したセッティングになっているのだということが良く分かった。恐らく140km/hを超えたあたりからスイート・スポットに入って、そこから上の速度域で巡航する時に、もっとも気持ちいいセッティングになっているのだと悟らされた。

ステアリング・ホイールやシートを始めとするすべてのパーツは、最高品質の天然レザーを使用したアルピナ・ラヴァリナ・インテリアに仕立て直されている。ウッドやアルミパーツの組み合わせも、オーナーの好みに合わせて様々な選択肢からビスポークすることが可能だ。





D5Sとは違う味つけ


いや、もちろん、これまでだってアルピナは高い速度域で快適に巡航するのに最適なクルマだったのであって、その点に変わりはない。しかしその一方で、街中でゆっくりと走っていても、コーナーをひとつ曲がるだけで、ステアリングを切り込んでいく時のしっとりと滑らかな感触といい、足まわりのしなやかな動きといい、徹底的に磨き込まれた機械だけが持つ上質な感触を味わわせてくれるのがアルピナだったのではなかったか、ということを私は言いたいのだ。どうやら、そのさじ加減が、よりスポーティな走りを志向するものに変化しているようなのだ。

実はこの変化は、すでに数カ月前にB3Sに乗った時にも感じていたことだ。何かが大きく変わろうとしている。それはもちろん、この小さいけれど特別な会社を率いるトップが、創業者でもあるブルカルト・ボーフェンジーペン氏から、その息子のアンドレアス・ボーフェンジーペン氏へと変わったことに呼応しているのかも知れないし、また、クルマづくりのあり方が根本的に変化したことに関わっているのかも知れない。



たとえば、これまで言われてきたアルピナ伝説のひとつに、アルピナの工場ではBMW製のエンジンをすべていったんバラして、熟練した職人が磨き込んだ上で、再び組み上げ直しているというものがあるが、もちろん、今はそんなことはしていない。高度に複雑化された現在のエンジンはそんなに簡単に磨きをかけられるようなものではなく、チューニングはあくまでコンピューターやターボのセッティングをいじるものに限られざるを得ない。足回りにしたって、同じような制約があるだろう。

その結果、チューニングの範囲が狭くなっているのかも知れないが、それだけではなく、やはりハッキリと意図してよりスポーティな味付けを選んでいるように感じる。少なくともディーゼル・エンジンを積んだD5Sは、かつてのアルピナの味わいを色濃く持ったクルマだったのだ。

いま、新しいアルピナの時代が始まろうとしているのだと思った。

文=村上 政(ENGINE編集長) 写真=柏田芳敬

■BMWアルピナB5リムジン 
駆動方式 エンジン・フロント縦置き4WD
全長×全幅×全高 4980×1870×1480mm
ホイールベース 2975mm
車両重量 2030kg
エンジン形式 直噴V型8気筒DOHCツインターボ
排気量 4394cc
ボア×ストローク 89.0×88.3mm
最高出力 621ps/5500-6500rpm
最大トルク 800Nm/2000-5000rpm
トランスミッション ZF製8段AT
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン/コイル
サスペンション(後) マルチリンク/コイル
ブレーキ 通気冷却式ディスク
タイヤ(前) 255/35ZR20
タイヤ(後) 295/30ZR20
車両本体価格(税込み) 1898万円

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