2021.09.03

CARS

ジェームス・ボンドも欲しがる!? 新型メルセデスSクラスに純正防弾・防爆仕様「ガード」登場

メルセデス・ベンツは新型Sクラスに防弾仕様車の「S680ガード4マチック」を設定。マイバッハ・モデル以外のW223型Sクラスでは唯一のV12エンジン搭載モデルで、メルセデスの防弾セダンとしては初めて4WDシステムを採用した。

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1928年から製作

1928年からこの手の防弾・防爆仕様車を造り続けてきたメルセデスの経験がこのS680ガードにも活かされている。外観は通常のSクラスとほぼ変わらないが、その防弾性能はドイツの検査期間であるVPAMの試験で最高レベルのVR10を獲得。また、防爆性能もルーフ、フロア、ボディ・サイドの各エリアで満点を得ている。





ボンド・カーを彷彿させる特別装備が満載

ボディはガード・モデル専用仕様で、これまでは標準車のボディ内部に防弾用装備を組み込んでいたが、新型は外板にも防御性能を持たせているのが大きな特徴。また、サスペンションやエンジン、トランスミッションは非防弾の量産モデルと同等に扱えるよう開発され、万が一の場合における生存率の向上が図られている。

多層構造のウインドウは、飛散防止のために内側をポリカーボネートでコーティングし、防御性能と視認性を両立。こうした補強で重量を増しながらも開閉を容易にするため、ドアには電動アクチュエーターを、ウインドウには油圧機構を装備する。また、万が一の際に電力が落ちても窓が空いたままにならないよう、各ドアにコンプレッサーと閉鎖弁、蓄圧機からなる補助システムが内蔵されている。







サンルーフは選べない

この新たな防護システムにより、キャビンの広さはロング・ボディのSクラスとほぼ同等を確保。4座と5座が選択でき、80を超えるオプションも通常モデルとほぼ同じく選べるが、サンルーフのように防御能力を損ねるアイテムは用意されない。そして、自動消火装置や有毒ガスの侵入を防ぎ無害な空気を供給するシステムが装備される。なお、バルクヘッドも補強が追加されることもあり、通常のSクラスでは550リッターある荷室容量は390リッター程度に減少している。







190km/hで敵から逃げる

パワーユニットはM279型6.0リッターV12ガソリン・ツインターボ。最高出力612psはマイバッハS680と同様だが、最大トルクは70Nmアップの830Nmとなる。WLTP燃費は5.1km/リッター、最高速度は重量増加の影響もあり190km/hに制限される。タイヤはミシュランの中子式ランフラットで、パンクしても30kmほどの走行が可能だ。

実車公開は9月に行われるフランクフルトからミュンヘンへ開催の場を移した国際モーターショー。価格は45万7100ユーロ(約5942万円)。



文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

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