2021.08.30

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「IWC」編

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第3弾。IWCからは、ブランドを代表するコレクションである「パイロット・ウォッチ」を取り上げ、時計ジャーナリストの菅原 茂氏と エンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

サイズダウン+実用性アップ=魅力を増大

昨年の「ポルトギーゼ」に続いて今年焦点を当てたのは、コレクションの重要な柱を成す「パイロット・ウォッチ」。まず象徴的な存在の「ビッグ・パイロット・ウォッチ」だが、オーバーサイズのケースが特色のこのモデルに今までにない43mmケースが加わった。着けやすいサイズといえば、新たに41mmを採用する今年の「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ」も同じ。どちらもムーブメントは自社製の自動巻きで、ケースはシースルーバック、防水機能も10気圧に高め、工具なしで付け替え可能なストラップなど、実用性もアップしてふだん使いにも適している。

 




パイロット・ウォッチ・クロノグラフ 41
クロノグラフの存在感を保ちながら、大きすぎる感じを抱かせず快適に着けられるのが新しい41mmケース。昨年の「ポルトギーゼ」のように、カラーダイアルがさらにその魅力を高める。カラーはグリーンとブルーが揃い、従来の精悍なブラックに対してお洒落感が際立つ。クイックチェンジ方式のストラップはオプションのブレスレットと容易に付け替え可能だ。また、10気圧防水に向上したケースの裏面は、サファイアクリスタルから堅牢で耐久性に富むIWCの自社製ムーブメントを鑑賞できる。自動巻き。ステンレススティール、ケース直径41mm、10気圧防水。82万5000円。




 
ビッグ・パイロット・ウォッチ 43
1940年に55mmケースで作られたオリジナルモデルの特徴的なデザインを受け継ぎながら、腕に程よくフィットする43mmケースを採用。搭載ムーブメントは、自動巻きで60時間パワーリザーブが備わる自社製キャリバー82100。ステンレススティール、ケース直径43mm、10気圧防水。クイックチェンジ方式のストラップ付属。106万1500円。




 
ビッグ・パイロット・ウォッチ・ショックアブソーバー XPL
新開発のハイテクモデルは、ケース内のムーブメントを浮かせた状態にするスプリングの保護機構で衝撃から守る、特許取得のショックアブソーバーを初搭載。ムーブメントも軽量で頑強なアルミニウム合金を採用し、自動巻きで120時間パワーリザーブが備わる。セラタニウム、ケース直径44mm、10気圧防水。年間10本限定生産。日本価格未設定。
 


パイロット・ウォッチ・パーペチュアル・カレンダー・トップガン“モハーヴェ・デザート”

アメリカ海軍戦闘機兵器学校、通称「トップガン」に捧げたシリーズ最新作は、砂漠を思わせるサンドカラーのセラミックケースにIWCが誇る高度な永久カレンダーと超精密ムーンフェイズを併せ持つ自社ムーブメントのキャリバー52615を搭載。自動巻き、168時間(7日間)パワーリザーブ。ケース直径46.5mm、6気圧防水。年間150本限定生産。402万6000円。

時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!
パイロット・ウォッチの古典的なデザインを取り入れたスポーツウォッチは市場に多い。元祖のIWCは、巨大ケースや独自の複雑機構などを特色にして差別化を図ってきたが、今年のサイズダウンや機能のシンプル化は、マニアよりも一般ユーザーに魅力を広めるのに効果的だろう。小径化と同時に薄型化したケースを実際に着けたら、腕なじみ、実に良好でしたね!

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
今年のIWCは3針、クロノグラフ、そしてパーペチュアル・カレンダーとパイロット・ウォッチが充実。中でも自社製ムーブメントを搭載する「パイロット・ウォッチ・クロノグラフ41」は嬉しい価格設定も大きな魅力だ。それにしても、パイロット・ウォッチにショックアブソーバーが搭載されたのにはビックリ! 次世代の定番機能となるか!? 

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)

 (ENGINE2021年7月号)

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