2021.09.12

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「ルイ・ヴィトン」篇

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第15弾。ルイ・ヴィトンからはラグジュアリーかつ個性あふれるモデルを取り上げ、時計ジャーナリストの菅原 茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

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豊作の頂点に君臨するのは前代未聞のジャックマール

今年は、「タンブール ストリート ダイバー」からサファイアケースのスケルトントゥールビヨンなど、多種多様な新作が揃い、見どころ満載だ。中でもインパクト絶大なのは、ダイアルにスカルと蛇を配し、オンデマンドで時刻が表示される奇想天外な「タンブール カルペ・ディエム」だ。複雑時計の精巧な技術を駆使してジャックマール(からくり)の遊びを追求した時計も珍しい。LVロゴをアレンジしたモダンなデザインにハイテク感を宿した「タンブール カーブ GMT フライング トゥールビヨン」は、いつものように旅がテーマのラグジュアリーウォッチだ。





 タンブール カルペ・ディエム
スカルと蛇を配したダイアルは、時刻表示が通常と異なるオンデマンド式で針も用いない。2時位置のプッシュピースを押すとスカルにまとわりつく蛇の頭が移動して額の窓にジャンピングアワーの数字が現われ、さらに尻尾が動いてレトログラード式の分表示を行うという凝った仕組みだ。また砂時計形のパワーリザーブ表示もユニーク。サファイアクリスタルのケースバックから見える複雑ムーブメントにもスカルを象りブラックに着色したブリッジをあしらわれている。手巻き、100時間パワーリザーブ。ピンクゴールド、ケース直径46.8mm、30m防水。参考価格5671万円。



タンブール カーブ GMT フライング トゥールビヨン
独特の曲線を描くケース形状に特徴がある「タンブール カーブ」にフライング トゥールビヨンとGMT機構を搭載してシンメトリーに配置。トゥールビヨンのブリッジ、GMTの24時間表示、またダイアルのオープンワークに見られるLとVもルイ・ヴィトンらしい。自動巻き、65時間パワーリザーブ。チタン、ケース直径46mm、50m防水。参考価格856万円。

時計ジャーナリスト・菅原 茂はこう見た!
「タンブール カルペ・ディエム」は面白さ抜群のショウピースだが、つまるところ“時計仕掛け”のアートオブジェ。ジャックマールのおどろおどろしいデザインに個人的には抵抗感がある。ラ・ファブリック・デュ・タンのナバスさん、次回は気分が晴れ晴れとするようなコンプリケーションを作ってもらえないでしょうか? ぜひお願いします!

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
時計作りにおいても類稀なるセンスと技術を持つルイ・ヴィトン。中でも「タンブール カルペ・ディエム」は思わずダイアル上の精巧なスカルとスネークの姿に目を奪われるが、ジャンピングアワー、レトログラードミニッツ、パワーリザーブディスプレイ、そしてオートマタを搭載する。時の移ろいをこれ以上無い喜びで満たしてくれるはずだ。

文=菅原 茂/前田清輝(ENGINE編集部)

 (ENGINE2021年7月号)

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