2021.09.19

WATCHES

2021年注目の新作腕時計「チューダー」篇

オンラインによるリモート開催となった世界最大の時計フェア「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ2021」を振り返る第23弾。チューダーからはクロノグラフとダイバーズという人気スポーツモデルを取り上げ、時計ジャーナリストの菅原茂氏とエンジン時計担当の前田清輝がその魅力を解説する。

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クロノグラフとダイバーズの歴史を新作に凝縮

歴史を尊重しながら独自の世界をますます強固に築くチューダー。そうした姿勢を鮮明に映し出すのは新しい「ブラックベイ クロノ」だ。1970年の誕生からモータースポーツとつながりをもったクロノグラフと1954年以来進化を続けてきたダイバーズウォッチの系譜を継承するのがこのモデル。ヴィンテージスタイルの2インダイアル、200m防水、高性能の自社ムーブメントなど魅力満載だ。もうひとつ注目の新作は、シルバー素材をケースに用い、着想源の1958年発表モデルを想起させる39mmケースを採用する「ブラックベイ フィフティ-エイト 925」。熱心な愛好者には見逃せないだろう。


 
ブラックベイ クロノ
横並びの2インダイアルや、ホワイトとブラックのコントラストが往年のクロノグラフのスタイルを思わせ、ヴィンテージ好きには魅力的。搭載する自動巻きムーブメントは、ブライトリング01をベースにチューダーがブラッシュアップした自社製MT5813。クロノグラフ機構にコラムホイールと垂直クラッチを採用する。COSC認定クロノメーター、約70時間パワーリザーブ。ステンレススティール、ケース直径41mm、200m防水。レザーストラップ仕様55万6000円。ブレスレット仕様59万2900円。



ブラックベイ フィフティ-エイト 925
チューダー初の200m防水ダイバーズが発表された1958年にちなんで「フィフティ-エイト」、そしてチューダーのダイバーズウォッチでは初めてとなるシルバー素材の純度を表す数字にちなんで「925」と命名。当時の流れを汲んだ39mmケースは着けやすく、またヴィンテージスタイルのデザインにも適合。ケースバックから見える自社製の自動巻きムーブメントMT5400は、COSC認定クロノメーター、約70時間パワーリザーブ。49万600円。

時計ジャーナリスト・菅原茂はこう見た!
前田さんもそうですか。やはり気になるのは、チューダーのダイバーズウォッチでは初めてシルバー925のケースとオープンケースバックを採用する最新「ブラックベイ」。これは物欲を刺激しますね。ただ、常識ではシルバー925をスポーツウォッチ、ましてやダイバーズに用いるのはリスキーに思えるのだが、なにか秘策があるのだろうか。

ENGINE編集部・前田清輝はこう見た!
パンダとリバースパンダが揃った「ブラックベイ クロノ」もカッコイイものの、心打たれたのは「ブラックベイ フィフティ-エイト 925」! ダイバーズウォッチなのにシルバー925製のケースを採用するという遊び心が素敵だ。ありそうで無かった銀無垢ケースのスポーツモデル。しかもケースバックはスケルトン。なんとも洒落ている。これは欲しい!

文=菅原茂/前田清輝(ENGINE編集部)

(ENGINE2021年7月号)

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