2021.09.11

CARS

ホンダNSXの最終モデルは後期型のタイプSと呼んでもいいほどの大きな進化を遂げていた

ホンダは2016年8月に登場した現行型NSXの最終モデルとなるタイプSの受注を9月2日に開始した。世界350台限定で、日本へは30台が導入される。

単なる高性能版にあらず

「今までのNSXを超えることを目指し、パフォーマンスとデザインを追求した」というタイプS。その変更内容は、単なる素のNSXをベースにした高性能バージョンという域には留まらず、さらに大幅マイナーチェンジに近い改良を盛り込んだ後期型のタイプSと呼んでもいいほどの大幅な進化を遂げている。





アグレッシブなフロント・マスク

エクステリアはフロントまわりを中心に空力と冷却性能の向上を図った新しいデザインに刷新された。シャープでアグレッシブなデザインに刷新されたフロント・バンパーは、開口面積を拡大することで冷却性能を高めるとともにボディの外側や内側を流れる気流を適正化。新形状のフロント・リップスポイラーとリア・ディフューザーによりダウンフォースも増加している。ボディサイズは全長×全幅×全高=4535×1940×1215mmで、従来モデルより全長が45mm伸びた。また、日本仕様はリア・サイド・リフレクターが北米仕様の赤色からスモーク・タイプに変更されている。車両重量は10kg減の1790kgだ。







3モーターハイブリッドは600psオーバー

パワートレインは従来モデル同様、ミドシップに縦置きされる3.5リッターV6ツインターボに、前輪駆動用に2つ、エンジンと組み合わされて後輪を駆動する1つの計3つのモーターを持つ「スポーツハイブリッドSH-AWD」ハイブリッド・システムを採用しているが、システム総合出力は従来比で29ps/21Nmの向上が図られ、610ps/667Nmへと高められた。

センター・カバーが赤色になったV6ユニットは、高耐熱材を使用することで過給圧を高めたターボチャージャーや燃料噴射流量を25%増やしたインジェクター、冷却効率を高めたインタークーラーを新たに採用。出力は従来ユニットよりも22ps/50Nm高い、最高出力529ps/6500-6850rpm、最大トルク600Nm/2300-6000rpmを発生する。さらに、駆動用バッテリーの出力と使用可能容量の拡大も総合出力のアップに寄与している。

デュアルクラッチ式9段自動MTには新たにパドルホールド・ダウンシフト機能を追加。左パドルを長く(0.6秒以上)引き続けると、その走行状況下で選べる変速段数の中で最も低いギアにエンゲージし、より素早く加速体制を作り出す。また、車内で耳にするエンジンサウンドを調整するインテーク・サウンドコントロールやアクティブ・サウンドコントロールもタイプS専用チューンが施された。





鈴鹿サーキットのタイムを2秒短縮

シャシー面では減衰力を可変させるアクティブ・ダンパーの調整範囲を拡大。パワーステアリングや駆動力配分の制御も見直した。さらに従来モデルより幅の広い新型ホイールに専用開発されたピレリ社製「Pゼロ」を履くことでグリップ性能を高めている。

オプションではカーボンセラミック・ブレーキやカーボン製のエンジン・カバー、メーターバイザー、ステアリング・ガーニッシュ、リア・スポイラーを用意。すべて装着した場合、20kg以上の軽量化を手に入れることができる。

こうした全方位にわたるブラッシュアップにより、鈴鹿サーキットでのラップタイムは従来型より2秒縮めているという。

ボディ・カラーは、ホンダ初のマット仕上げを用いたカーボンマットグレー・メタリックをはじめ全10色。ヘッドレストに「NSX」の車名が刺繍されるシートはフルレザーとレザー/アルカンターラの表皮が選択でき、シート・カラーは赤と黒のほか、レザー/アルカンターラには白系のオーキッドが設定される。

発売時期は2022年7月の予定だ。価格は2794万円となっている。





文=関 耕一郎

(ENGINE WEBオリジナル)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録